偽マフティーとなってしまった。
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外伝 オルフェンズ
僕はやるよ。やってみせるよ。君たちに虹を見せる。その虹は僕の支えになったから。誰に言われなくても!
誰かの声が聞こえた。叫び声や泣き声だ。
「地球か。」
太陽系連邦の大統領を終わり、こうして死んだのだが嫌な時代だ。鉄血のオルフェンズか。なんの意味がある?地球圏の無理な支配、労働者搾取、財閥の軍閥化、宇宙ネズミ。
俺はギャラルホルンの一兵士として、火星にいた。このままなら俺は死ぬ。ギャラルホルンに退職を告げて、火星である程度暮らすようにした。どこにも逃げ場なんてない。
「脱走兵狩りだ!お前も逮捕する。俺もポイントが必要なんだよ、監査官殿にな!わかってくれよ、俺には家族があるんだミハイル!」
そう言うと3人のギャラルホルンの兵士が荒ぶり、テーブルを蹴り上げ、かぼちゃが転がった。俺とかぼちゃは目があう。しかし、俺はもう表舞台で踊るのは疲れた。そう何度もできることではない。俺は単なるミハイルなんだ。
「お前も可愛そうだよな。俺だって可愛そうだが俺たちには何にもない。地球に生まれようがゴミみたいに捨てられる。一部だけの貴族様がこうやって生きるために仕方がなく賄賂を貰うしかない俺たちを糾弾する。だったらギャラルホルンとしてまともな給与をくれればいいってのに。誰も助けてくれないから誰かに頼れない。」
愚痴を言う男とは知り合いだ。まともな感性をしていたが、この狂っている時代に動かされている。俺もお前もだが、俺にはこの狂騒にもう耐えられないんだよ。もう他人の尻拭いはごめんだ。
スラム街の町並みは、結局俺に似合ってる。その目は曇ってる。転がるかぼちゃがもう一度こっちを見ている。「それでいいのか?ミハイル。」「世界が変わっても結局は愚民どもはこうするのだよ、ミハイル。」声が聞こえた気がした。
連れて行かれる車の中で、揺られながら手を見る。綺麗な手だ。スラム街の住人の手はもっと荒れている。俺はどうする?ギャラルホルンの労働者の破棄は、やがて労働者を虐殺する羽目になる。そうすると労働者を失い、人類は衰退する。搾取の果てはあの荒廃した世界だ。武器がなくても武器にすることはできるのを知っている宇宙世紀はそうだった。あの宇宙世紀ですらだ。
ギャラルホルンは血に塗れすぎた。もうマクギリスがどうしようとも、武器を持っていないデモ隊に武器を渡して、武装蜂起を装い掃討するその統治機構は崩壊するのだ。だから俺は何もしなくてもいい。たかが終わり行く体制だ。
「くそっ!俺は何をしてるんだ!」
気が付いたらギャラルホルンの三人を殴り倒していた。小競り合いの遊びをしてるだけのギャラルホルン程度には負けはしない。
「あぁ、時が見えるか。」
あとは運転手だけだが強烈な揺れを感じ、体を丸めると車は横転した。素早く銃を確保する。そして体勢を整えると外に出る。綺麗な空だ。もう少し早く気が付いておくべきだったか?
車から煙が出ている。離れなくては。畑に転がっていたかぼちゃがこちらを見てる。あぁ、わかったよ。じゃあ、やるよ。
すぐさまナイフでかぼちゃを切り取ると煙が晴れた。その先にあったのは。
「俺たちはやったのか?」「やった!やったぞ!」「ザマァ見ろ、ギャラルホルンが!」
お遊びテロリストみたいな奴らがいた。お前らふざけてんのか!俺が中にいる三人を殴り回しとかないと、中から出てきた三人に射殺されていたぞ。ふざけんなよ!そういえば運転手は?
這い出でてきた運転手を直様蹴り上げて殴り倒す。
「お前たちは甘い!こうやっておかないと死んでいたぞ!なんでそんなことをするんだ!」
それにしてもどうするんだコイツら?無鉄砲にもこうやって戦う?ただ死ぬぞ?
「何だお前は!そんなふざけた格好をして!」
いや、ふざけてるのはお前らだろうが!冗談抜きにお前らはアホなんだよ。なんで計画なしにギャラルホルンの車を襲うんだ?ギャラルホルンはティターンズにXの革命軍にOZを入れて腐らせたのがギャラルホルンだぞ?下手にそんなことをしたらスラム街にナパーム弾を撃ち込んで、鎮圧とか言って虐殺をして、殺した市民の数をゲリラだという連中だぞ?正気か?統制もできていない癖に統制局とかコントをしているし、ギャラルホルンも所詮は革命お遊びごっこが成功したにすぎない、学生サークルが革命に成功した世界線だろ。
所詮、革命お遊びサークルが革命に成功しても無駄なんだよ。官僚主義や大衆に流される。
「そうだろ。なぁ、お前もあのとき言っていたもんな。実際そうだったわけだ。」
火星にならダインスレイヴを撃ち込んでもいいと思ってるんだよ。実際、クーデリアはお遊びサークルから火星の自主権を勝ち取っている。だが、長い時間をかけて火星もお遊びに落ちるだろ。結局はその繰り返しだ。
ギャラルホルンと地球連邦は違う。地球圏の経済ユニオンがある。なら実質統治してるのは各地の経済ユニオンや自治区の統治機構だ。ギャラルホルンは必要がない。武装組織に過ぎないからな。治安維持もできない治安維持武装組織とは、トンチが効きすぎていてもういらない。
「何だ、いきなりごちゃごちゃと!」
面白サークルのくせに黙れ!お前らのせいでこうやってやる気にエンジンをかける羽目になってるんだぞ!またバーチャルデラーズおじさんや紅茶野郎みたいなのと、それを元にしたような奴らが湧いてきたらどうする?もうすでにアグニカ・カイエル信者とかアグニカ・カイエルで教育が終わった男とかバエルで満足革命キッズとか、ギャラルホルンを倒すのにギャラルホルンであろうとしたから結局アグニカ・カイエルになれない男、イズナリオの育成失敗再走案件、イズナリオから教えられたのは夜のみだった男、カルタとガエリオを結局利用できないバエルでご満悦おじさんとかがいるんだぞ。
イズナリオは性癖以外は完璧だから利用してやったらよかったのに。そうやってな。ラスタルに政治で勝っていたのはイズナリオがいたからだろうに。実際革命をしたいのなら、ラスタルが死ぬか引退するまで待っていればいい。30年も待てばラスタルは表舞台から去っていただろう。だからバエニカとか呼ばれるんだよ。ねっとりとバエルとかほざいてろ!
「革命をしたいんだろ?なら、武装蜂起はするなよ。やり方ぐらいは教えてやるから、ついてこい。」
こうして俺はまた走ることになるが‥‥。
「お前は一体?ギャラルホルンではないのか?それにカボチャ頭‥‥。」
彼らはワイシャツにスラックスの単なる平服だ。軍服すら用意もできないゲリラだ。
「単なる道化だ。今はそうだな、プリペンダーマフティーと名乗っておこう。ギャラルホルンは縛っておけ。死体が出たら今は問題になるが、監査官が来るらしい。なら、汚職を隠すために失踪扱いで罪を着せられて処分される。そうなれば彼らもギャラルホルンを捨てて戦うしかなくなる。わかるか?」
ゲリラ達は意外とすぐに頷いた。考えもなしに襲ってきたのが丸わかりだ。リーダーすら居ないんだろう。
「知らないし訳のわからない格好だが、お前は、マフティーは俺たちに力を貸してくれるのか?」
そうだな。そうするしかないんだ。俺はいつもそうだからな。
「あぁ、そうだな。俺はお前らに力を貸す。いや、貸してもらうしかない。まずはこれらの証拠を始末するんだ。車のパーツもここでは金になるだろ?」
そうだ。この火星では何でも金になる。金の元にならないのは人間だけだ。
「わかった。」
汚い農道で大人4人を縛って、男7人が車を解体する。パーツごとに売り払われるだろう。足もつかない。ギャラルホルンの横流しの車は横行している。装備品の数についてマクギリスたちは追求するだろう。ガエリオは若い正義感を振りかざしてそうだ。騎士ごっこをしたいのならその力は宇宙ネズミを狩るのではなく、宇宙ネズミやヒューマン・デブリを守るべきだったはずだ。その姿を見せたなら、マクギリスも別の方向を見せたかもしれない。
「クーデリアお嬢様は‥‥革命の女神はこんなことを許すのかな?」
誰かがそう言った。しかし武力である程度抵抗しなければ、資本家が鎮圧するのがこの世界だ。
「許さないだろうが、やるしかないのさ。」
なんで俺はまだこんなことをしてるんだよ!オルガ!なんで俺に話を聞く?クーデリア!そんなに焦るなよ!三日月は怖いからこっちよるな。お前、若干ハサウェイの匂いがするんだよ!
何がかぼちゃの中身はアグニカ・カイエルに似ているだ!案の定だな、マクギリス!
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