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偽マフティーとなってしまった。

作者:連邦士官
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23話

「あれは!?」
 地球連邦軍はよく見るとペガサス級や準ペガサス級がチラチラと見える。本気だ!何だ、アーガマ級も何隻もいる。なんのつもりだ!そして地上では激しい煙と粉塵が舞う爆発が起きている。

「何だあれは!?」
 土埃を立てて第三倉庫から出てきた3機の‥いや、3両のあれは‥‥ヒルドルブ!?なんで?ヒルドルブ!?一機は立ち上がってるぞ、気持ち悪い!?後ろにザメル2機にドム・キャノンが9機、ギレンの野望じゃあるまい。どっから持ってきた、それ!?待て、よく見たらあれはペズン・ドワッジにドワス‥‥アクト・ザクカラーのケンプファー!?あれ中身リリアじゃないのか!?えっ?じゃあ、あのドムFって中身はソフィ?

 ジオン残党を筆頭として次々に地球連邦軍を撃墜していく。よく見たら、アーガマ級の内2隻はこちらを援護している。つまり、旧エゥーゴの中で離反者が生まれた証だ!

「ジェガンが一気に3機も!?」
 あの真っ白なザクIIIはまさか白狼!?で、あの白いゲルググはホワイトウルフ?なんなんだこの残党部隊。

 しかし、よく見ると一進一退であり、エースクラスがいるであろう前線は押しているがジムIIIやグスタフ・カール、61式戦車による数の暴力に押されている。ハサウェイはどこだ!?見つけた。何と戦ってるんだ?はぁ?あれは‥‥。

「あれは‥‥リゼル、ΖII、リ・ガズィカスタム‥それにジェスタ!?」
 頭おかしくなったのか?やってくれるなアナハイム!リ・ガズィカスタムとΖIIを地球連邦政府に渡すなんて。いや、その奥だ!

「マフティー!そこを避けろ!」
 ハサウェイに通信で呼びかけてハサウェイが避けるその瞬間に、奥からSFSに付けられたバストライナーが光を放つ。巨大なSFSにバストライナーを乗せることにより、大気圏内を走り回るMAと化している。旧式でも出してくるのはジャックのせいなんだろう。ジャックは旧式でもある程度古かろうが傷を与えられるなら有用だと知っている。

『助かりました!大尉!』
 だから、天パじゃない。天パ要素はどこにも無いだろうが。むしろMA適性のほうが高いから情けない奴の要素のほうが高いだろうに。

「どうでもいいが、勝てるか?」
 マジで勝てるの?あの組み合わせに。明らかにアナハイムが最高に安心と実績のアナハイム行為をしてできた組み合わせだぞ。

『やらねば勝てぬ。ならば勝つ。違いますか?大尉。敵の3機、4機叩き落さないとアクシズを押し返した意味がなくなるというものだ!今、虹が!』
 ちょっと怖いけどハサウェイ君は大丈夫そうだからほっとく。話すとめっちゃ怖いから。意味不明だよお前。

「あぁ、なら任せた。勝利の栄光を君に!」
 思わず口からこぼれた情けなくない頃の情けないノースリーブのセリフに思わず「どこにいるシャア」と漏らしてしまう。地上でこのセリフは縁起でもないだろう。

『えぇ、勝ちますよ。勝利の栄光は‥‥すべてマフティーに。』
 なるほど。あっはい、そうですね、わかりました。そうしますね。何故か日に日にハサウェイが怖い。マフティーってだから何よ。教えてくれシャア。また独り言を漏らす。仕方がない。押されている戦線に助けに行く。

 フルドドIIの主砲が1本駄目でも、Gディフェンサーとも合わせて2本の主砲とクレイバズーカがある。それに‥‥いざとなればペーネロペーを盾にすれば良い。エイムにはその価値は無いだろうがペーネロペーにはその価値がある。背中に背負ったままなのはどうかと思うが仕方がない。

「そこか!」
 主砲2門とクレイ・バズーカ2門、ブルパップマシンガン2丁にペーネロペーから奪ったビームライフルが火を吹く。圧倒的な弾幕に敵は数を減らす。そうすると始まるザメル、ヒルドルブ部隊による援護射撃、地面にクレーターが出来上がり、また倉庫が揺れると姿を表すのはライノサラスにゾックにシャンブロとゼー・ズールに量産型ビグザム!?嘘だろ!どれだけ居るんだよジオン残党軍。もはや残党じゃないだろ。

 地上ではR・ジャジャとギャン改が近接型用のビームスピアを装備したジェガンと戦っている。ジム・スナイパーIIIやジム改高機動型がジムIIIと撃ち合い、ネモIIIと陸戦強襲型ガンタンクがジェガン重装型と撃ち合う。地獄絵図だ。

「しかし、マフティーならばやらねばならない!ッ!邪気が来たか!」
 空をSFSで飛ぶ旧ザクやザクIIがスキウレ砲を撃つのを手伝うためにメガ粒子砲を放つ。そして、ブルパップマシンガンのマガジンを投げてマシンガンで撃つと誘爆をして大量の銃弾が一気にジムIIIを強かに穿つ。

 数十分も戦闘を続けるとキンバレーは撤退をした。被害が見合わないと踏んだんだろう。しかし、杜撰な指揮のキンバレーにこれほどの戦力を預けるとは。入り放しになっていたオールチャンネルを切り、地上でペーネロペーを捕虜として預けると味方のミディア部隊を引き連れ、ジェガン達を墜落させたポイントに向かう。うまくやればガルダを接収できるからだ。そしてガルダを軍用に許認可した官僚達を責めて民間にガルダを託せばいい。

 それじゃなくても回収部隊を叩ければそれだけダメージを与えられる。艦砲射撃がなかったのはペガサス級や準ペガサス級のいずれかにキンバレーが乗っていたのだろう。艦砲射撃をされていたらかなり厳しかったはずだ。馬鹿だが艦砲射撃までしては外聞が悪いと思ったのかもしれない。もはや外聞も無いだろうが。

 ミディアの中で再び武装が追加されていくこの機体に何がそこまで技術者を駆り立てているのか気になる。
「追加した新しいパーツとやらは?」
 このパーツ、明らかに異形であり、ノイエ・ジールの有線式クローに更に増えているのは馬鹿でかすぎるヒートソードに増設されたビーム撹乱膜ミサイル。

「有線式ビーム砲です。そしてヒートナタから作ったヒートソード。そして大型撹乱膜弾頭と一部は巨大なスーパーナパームです。」 
 ですって言われても。そんな急に言われてもな。

「うまく、俺が扱えると思うか?」
 もうおもしろ機構は勘弁してくれよ。本当に腰部の3連式フレキシブルアームショットクローとか意味不明だし。

「大尉のニュータイプ能力は未知数ですからなんとも。しかし、特殊武装は飾りです。本命は操縦技術です。」
 いや、そんなことを言われても俺は困るぞ。本当にこんなものを操縦しないといけないとか狂気の沙汰だぞ。

「いや、俺はニュータイプではない。ニュータイプならばもっと強くて、もっと綺麗な戦い方をしたはずだ。ニュータイプではない。」
 俺は敵が見えるわけでもなければ未来予知も出来ないし電流も走らなければ、ニュータイプぽい事がない。ニュータイプだったらこんなに悩んでもいないだろう。

「だとしても、客観的にニュータイプに見えればニュータイプになります。人々はニュータイプに導かれるのを求めているのです。だから、マフティーにもニュータイプを求めています。マフティーはマフティー故にニュータイプにもならねばなりません。」
 どういう理屈だそれ!?ニュータイプ神話が強すぎでは?

「しかし、それではニュータイプもマフティーも道化だよ。いや、最初からニュータイプもマフティーも道化でもあるが‥‥。」
 何だこの整備士、ガンガン来る。困ったものだ。マフティーだからニュータイプにもなれって暴論中の暴論だろうに。

「マフティー、人々が望むモノが道化になるのならば、神すらも道化ですよ。ま、神がいらっしゃったらグリプス戦役を止めれたはずなのだからいないには違いないですがね。」
 そう言う神はいないがこの世界を作った創造神はいるのは知ってるし、木星にヨシユキ・トミノやジム神様がいる可能性が高いしバイストン・ウェルが存在しうるのを知っている。全ては黒歴史に内包され、また全ては土に帰るのを知っている。

「いや、神はいるさ。いなきゃ俺が困る。」
 そうだ。うまく行ったら木星の伝記を書いたヨシユキ・トミノを探そう。なにか知っているかもしれない。所詮は作中人物かもしれないがそれでも希望はまだある。待っていろトミノ。

「マフティーが神を信じているとはえらくセンチメンタリズムでナイーブな考え方だ。たしかに私も機体を組んでいるときは神に祈りますが。モスク・ハンとテム・レイという神にね。」
 知らんがな、勝手に祈っておけば良いだろ。

「気に食わんな。名前は?」
 人の神経を逆撫でさせるのが好きそうに見える。何だこのヒゲは。

「エリオット・レム。単なる技術屋ですよ。」
 エリオット・レムじゃないか!おっさんになりすぎて誰かわからなかったがエリオット・レムだ!

「ザクのエリオットとは。では、改めないといけないな。気に食わないエリオット・レム中佐。貴殿はモビルスーツには乗らないのか?敬語は止めてくれ、貴殿はエースだからな。」
 エース級の腕前だと知ってるぞエリオット。ザク高機動型で敵をなぎ倒せるぐらいだとな。

「では、敬語を止めて‥‥地上では私の機体は使えない。」
 リックドムあたりか?何に乗っているんだろうか?

「リックドムやビグロか?」
 俺は聞いてみた。まさかとんでもない機体には乗ってはいまい。

「あぁ、実験機で宇宙専用機。小型化した上で装甲をガンダリウム合金に変えたヅダだ。圧倒的なトルクと加速が出す真実のMSだ。」
 頭ツィマッド狂人かよ。小型化ヅダとかなんだよ。

「小型化とは?そのヅダはどういう武器を持ってるんですか?」
 狂気を感じて思わず敬語になってしまう。

「モビルスーツは巨大になり過ぎた。だからこそ、昨今は小回りがきかなくなっている。ある種MA化してきている。なら、原点に立ち返りいらない機能を消して強力な装甲とエンジンを持った小さいMSこそが未来のMSだと思って開発した。これからの時代は小型軽量高出力だ。武装はビームランチャーとビームライフルを兼ねたものとビームサーベルだけでいい。余計なものは機能美を損ねる。」
 たしかにそうなるだろうとは思うが、なんでこんなに予想が当たるのだろうか?

「ビームサーベルの収束率を変えれれば細い槍のようなビームサーベルから普通のビームサーベルまで一つのデバイスで済む。これで積載物がビームランチャー兼ビームライフルとビームサーベルのみになり、他に兵器を載せられる。」
 兵装は2つのみとか言ってなかったか?じゃあ、まさか。

「まさかミノフスキードライブを?なら、捕まえてきたあのガンダム、ペーネロペーがそれに近いから手本になると思う。」
 アナハイム・エレクトロニクスは技術に関してだけは信用できる。技術に特化して他のものは置き去りにしてるから仕方がないだろう。多分、他の信頼はルウムあたりで死んだんだろう。

 まだ、アスランのほうが信用できるかなぁ?信用出来たらいいな。アスランはアスランって言う形容詞で強さはムラがあるがシャア倒せそうだし。記憶があやふやだがニコル、キラ、ハイネ、シン、議長、ラクスが殆どのセリフだったような?ハウメアの加護であぁなったのかな?加護じゃなくて呪いじゃないか、ハウメア。

「ミノフスキードライブは良いな。いきなり、何を黙って‥‥。それより、捕まえてきたのはペーネロペーって言うのか?なぜ知ってる?」
 知ってるから知ってる。理由は「小説やゲームで知りました」なんて言えないからそれっぽい理由を考えるとすぐに思いついた。

「アナハイムから聞いたのさ。アナハイムがアナハイムなのはレム中佐も知ってるだろ?アナハイムだからな。」
 そう言うとエリオットは納得したようだった。アナハイムへの信頼度が高いな。流石は天下のアナハイムだ。俺は好きだよアナハイム。作る機体とバナージとサイコフレームは。

「しかし、アナハイムにもマフティーが繋がっているとは、マフティー‥‥本当にシャア‥。」
 ここで手を出し止める。シャアほどの活躍を求められても困る。シャアやアムロには俺は敵わない。

「シャアではない。アムロでもない。大尉であり、今の私はマフティーであってマフティー以外ではない。すなわちマフティーはマフティーでしかない。私は記号に過ぎないんだ、マフティーというな。」
 適当にマフティー、マフティーと言っておくと相手は黙る。マフティーってなんだよ。最近、マフティーマフティーマフティーマフティーで一文が成立しそうな恐怖を覚える。

「なら、マフティー。無茶はやめていただきたい。蒸発式ビームコートの下のビームコートすら傷が付いていた。このコートが無ければ即死していてもおかしくはない。」
 いや、そんなの言われても仕方がないだろう。じゃあ、Iフィールド付けてくれよ。

「防御機構はついてて嬉しい飾りではない。Iフィールドやチョバムアーマー、フルアーマーシステムは積めないのか?」
 いや本当に防御は固めてほしい。俺は避けるのはそんなに得意じゃないし、身構えてる時には来ない死神の代表格アムロみたいに避けれない。

「マフティー大尉。今、“色々と開発”をしている。時間をくれたら順次開発が進むはずだ。」
 エリオットからそれを聞くと「少し寝る」と言ってコックピットに入り込み寝る事にした。
 
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