管理上手のマネージャー

　　　　　　　　　　　　　　　　管理上手のマネージャー
　大手芸能事務所八条芸能の系列事務所の一つに所属している俳優の池上優斗は美形の若手俳優として売り出し中だ、だが彼には一つ秘密があった。
「俺太りやすいんだよな」
「はい、だからです」
　マネージャーの神谷千鶴がすぐにきりっとした顔立ちで太めの形のいい眉と形のいい顎にセットされた真ん中で分けられた黒髪に長身ですらりとしたボディと長い脚の彼に言ってきた。神谷は一四四位で黒髪をショートにしていて丸眼鏡をかけていて童顔である。スタイルは結構いいがやたら額が目立っている。
「私もです」
「マネージャーさんとしてね」
「管理させてもらっています」
「仕事だけじゃなくて」
「毎日お食事を考えて」
　そして食べてもらってというのだ。
「運動もです」
「ジムやそこにあるプールで」
「してもらっています」
「お陰でね」
　池上は神谷に笑顔で話した。
「すらりとしたスタイルで」
「イケメン俳優として人気ですね、ただ」　
　ここで神谷はこう池上に言った。
「今度のお仕事は映画で」
「お相撲の映画だよな」
「ですからある程度ですが」
　それでもというのだ。
「太ってもらいます」
「それもお仕事だね」
「ですが」　
　神谷は強い声で話した。
「力士さん実は太ってないんですよ」
「脂肪は皮一枚で」
「下は筋肉です」
「太ってないね」
「そうしたスタイルになってもらいます」
　ある程度でもというのだ。
「宜しくお願いします」
「それじゃあね」
「はい、それなら」
「うん、そうした身体になるよ」　
　マネージャーである彼女に応えてだった。
　映画の脚本を読み自分の役を把握してから役に相応しい体形になる様にした、トレーニングは相撲のものになり。
「食事はちゃんこ鍋なんだ」
「一日一回は必ずです」
　神谷は池上に彼の家で自分が作った鍋を出して話した。
「食べてもらいます」
「そうするんだね」
「そして」
　そのうえでというのだ。