神々の塔
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第五十九話 荒野の宗教その五
「唯一の世界ではな」
「ないね」
「それがわかってるからな」
「唯一教でもやね」
「他の宗教もな」
「認めてるね」
「キリスト教にしてもな」
この宗教もというのだ。
「そうなってるわ」
「そやね、あれやね」
ここで綾乃はこんなことを言った。
「ユダヤ教の神様を信じる」
「多くの神霊さん達の中からやな」
「そういうことやね」
「そうなるな」
「天使さん達も」
ユダヤ教の彼等もというのだ。
「ユダヤ教の神様に仕えてる」
「そうした方々やな」
「あれやな」
リーはここで話した。
「日本やと天理教がな」
「ああ、あの宗教は」
トウェインはリーに知っているという顔で応えた、実際に彼もこの宗教について幾分かの知識を備えている。
「一柱の神様を信じてるな」
「天理教の神様をな」
「うちの学園にも教会あるしな」
その敷地内にだ。
「理事長さんの一族八条家も信者さんやしな」
「地元の天理教の教会のな」
「八条分教会な」
「このことは八条学園では有名やろ」
「知らん人おらん位な」
そこまでとだ、トウェインはリーに答えた。
「有名な話やな」
「そやな」
リーもまさにと応えた。
「当然私達も知ってるわ」
「そうやな」
「それで天理教はな」
「天理教の神様信仰する宗教やな」
「天理王命さんをな」
「そうやな、しかし」
トウェインは考える顔で述べた。
「そうでも他の宗教は認めてるな」
「ちゃんとな」
「天理教の神様はこの神様で」
こう呼ばれていてというのだ。
「だめの、最期の教えと言ってても」
「絶対にや」
「他の宗教は否定せんな」
「教祖様が神社にお参りしたりお経を覚えた話があるわ」
天理教が立教される前の話である。
「はっきりそれを言うてるしな」
「堂々とな」
「天理教も一神教と言えるが」
「この神様でな」
「他の宗教は一切否定せんで」
「他の宗教は他の宗教やな」
「神仏はな」
そうした存在はというのだ。
「一切否定してへん」
「天理教の世界には天理教の世界がある」
神のとだ、羅は言った。
「そしてな」
「ユダヤ教もやな」
「そやろ、ユダヤ教やキリスト教の神界だけやないんや」
「神界、神様の世界は」
「よおさんある、それがこの世界ではや」
「はっきりわかるな」
「それぞれの神界の神霊さん達がこの世界に関わって来てて」
そうしてきていてというのだ。
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