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神々の塔

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第五十九話 荒野の宗教その六

「世界を司ってるんや」
「そうしてるな」
「そして」
 羅はさらに話した。
「それは起きた世界でもな」
「同じやな」
「神霊さん達の世界は一つやないんや」
「よおさんあるな」
「唯一神はな」 
 そう呼ばれる存在はというのだ。
「それぞれの世界のことや」
「あくまでな」
「神界のな」
「よおさんの神様がおる世界もあるな」
「聖霊さんやったり仏さんやったりな」
「色々あるな」
「そや」
 まさにというのだ。
「そういうことやな」
「そしてユダヤ教の世界はそうした世界やな」
 真面目な顔でだ、メルヴィルは述べた。
「過酷な環境から生まれた」
「厳しい世界やな」
「ああ、そこを理解してな」
「受け入れることやな」
「信じることはなくても」
 ユダヤ教の神への信仰を持たずともというのだ。
「そうしてな」
「やってくことやな」
「そやな、しかし」
「しかし?」
「いや、同じキリスト教でもな」
 メルヴィルはトウェインにあらためて話した。
「全くな」
「宗派によってか」
「ちゃうな」
「それはな」
 トウェインも否定しなかった。
「わいと自分でも宗派ちゃうしな」
「キリスト教のな」
 トウェインもそれはと答えた。
「同じクリスチャンでもな」
「そうなるとな」
「世界がちゃうな」
「またな」
「そうなるな」
「キリスト教というてもおかしなのあるしな」
 こう言ったのはシェリルだった。
「カルトがな」
「ああ、そんな宗派もあるな」
 トウェインは曇った顔でシェリルに返した。
「アメリカでもな」
「オーストラリアでもな」
「起きた世界でもそうでな」
「こっちの世界でもな」
「あるな」
「そうした連中の世界は」
 シェリルはさらに言った。
「ほんまな」
「とんでもないな」
「ああ」
 まさにというのだった。
「そうした連中もな」
「そうした連中の世界はな」
 神界はというのだ。
「どんなのかいうたら」
「同じキリスト教でもな」
「けったいなもんやな」
「そやな、キリスト教の神界は」
 トウェインはそちらの話をした。 
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