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子虎迷走記

作者:蒼鈴六花
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第7話 気付いた心、互いの始まり 中編

 
前書き
前編後編で終わらせようと思ったのですが、予想以上に長くなってしまったので中編になりました。

久しぶりに書くと文章が少し変に……
少し短めです。
 

 
船長室。

ややぐったりしたレックスと海賊組、俺といつものメンバーが集まっていた。
話題はレックスに説教した爺さんの話だ。

「別の世界、それもユエと同じ世界から来た人間???」

「確かユエはメイトルパとは別の世界から来たのでしたね」

ソノラとヤードが不思議そうに言う。

「うん、俺も驚いたよ。でも、本当の事らしいんだ」

なんとあの爺さん(ゲンジさんと言う名前)は俺と同じ世界から来てたのだ!
なんか感動だよ。異世界で同じ日本人に会えるとか……

爺さんも俺が日本から来た事を知ると驚いた。(レックスに何とか伝えられたのでレックスに話してもらった)
喋れない事は残念そうだったけど、いつでも遊びに来てくれと言っていた。
爺さん自慢のお茶を出してくれるそうだ。

日本茶だよ!元の世界じゃあんまり飲まなかったけど、なつかしの故郷の味だよ!!
気付かなかったけどシルターンは日本に似た文化だから白米がある!
なんか涙がでてくるよ……もう日本にいた頃の記憶がぼやけ始めてるけど、それでも感動だよ。

ととっ、泣いてんの見られたら色々説明が面倒だからこらえなきゃな。
今レックスは皆に爺さんの事話してるから俺の方は見てない。今のうちに拭っておこう。

よし、これでバレんだろう。
うん、丁度話も大体終わったみたいだし。レックスがスバル達の先生になる話もしたみたいだしな。

あーウィルの説得が大変そうだな。



夜。

レックスはウィルを呼び出して事情を説明した。
ウィルが険しい顔して聞いている。

やはりウィルは怒ったが、レックスは爺さんに説教されて考えた事を素直にウィルに話していた。
先生としての勉強だそうだ。ウィルも少しは納得してくれた様子。
一応何とかなったと言った感じだが、これから頑張んないとなレックス。



3日後、青空学校第1回が早くも行われた。
3日の期間中は爺さんがレックスに教師のなんたるかを叩き込んだようです。

え?俺はレックスと一緒にいなかったのかって?スバル達と遊んだりウィルと一緒にいたよ。指導中の爺さん怖いし。



そして青空学校は始まる。

キャンバスのような黒板に切り株の机。木箱に詰まれた本。割と学校っぽくなっている。
ミスミ……仕事速すぎだろ……

レックスは初めての授業に気合十分。張り切っている。
少し離れた所でミスミと爺さんが授業を見に来ているし、ちょっとした授業参観のような感じもする。

ちなみに俺は生徒側。スバル達と一緒に席につく。
ウィルも来てくれたのだが、うん……険しい顔のまま。もっと子供らしく笑顔になるといいのにな……

そう思いながらも授業は始まった。



少ししたらミスミと爺さんはどこかに行ってしまい、その後に……
早速壁にぶつかりました。

書き取りとかできるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!

このにくきゅーの付いた手でどう書けと!
くそう……

俺が悔しさから切り株引っかいているとウィルがレックスに質問していた。
だが、スバル達が喧嘩し始めレックスはそっちにいってしまう。
で、戻ったら戻ったでまた喧嘩が始まる。そこにマルルゥまで加わるし。
どんどんウィルの表情が険しくなっていく……やばい。

俺はレックスに気付かせようとしたが……

「いい加減にしろッ!!」

遅かったようだ。
ウィルは帰ってしまった。

「ガウッ!!(レックス!!)」

レックスを軽く尻尾のリングで叩いてレックスに速く行くように促し、レックスはスバル達に一言言ってからウィルを追った。もちろん俺も心配だしついてくよ。

で、追いついたのだが、レックスはウィルに嘘つきと言われていた。
ウィルはレックスが自分の事がどうでもいいと思ってると感じたようだ。

それにレックスはそんな事ない!!と叫ぶ。
ウィルは驚いた顔をするもどこかに走っていってしまった。

「ユエ……俺は……」

「ガウ」

大丈夫だって、お前の気持ちはきっと伝わるさ。
だからそんな顔すんなって。ほら、ウィルが船に戻ってるかもしれないし探しに行こう。

そう気持ちを込めて軽く尻尾でレックスの足を叩く。

俺達は船に向かった。



船。

ソノラにウィルが帰ってきていないか聞いたが、ウィルは戻ってきていないと言う。
そこにカイルが走ってきて全員無事か!などと叫ぶ。何かあったのか?
どうもスカーレルがついさっき怪しい連中、帝国軍の兵士を見たらしい。

嫌な予感がする……レックスの方に向くとレックスも同じ予感がしているようだ。
俺達は急いで探す事にした。

集落に来ていないか探している途中、爺さんにまたレックスが叱られたものの何か気付く事が出来たようだ。
準備は整ったみたいだし早く探そう!



妖精の花園でマルルゥと出会い、ウィルが来なかったか聞く。
マルルゥ達はさっきの事を反省してウィルを手分けして探していたようだ。
でもまだ見つかってないらしい。

と話しているとパナシェが大変だよー!と叫びながら走ってくる。
見つけたのかと聞くと武器を持った人間に捕まってると答えた。
帝国軍か!!やばいぞレックス!

レックスはすぐさまパナシェから場所を聞き、スバル達に帰る様に言ってから走り出す。



森の中を駆け抜け、森を出ると草の生えてない所に出た。
あたりから恐竜の骨のようなものが飛び出し、化石の発掘場みたいだ。
そしてそこにウィルがいた。

前に顔を思いっきり尻尾のリングで殴りつけたやつと一緒に……
あいつ……まだ懲りてなかったのか!

レックスはウィルを返せと叫ぶ。
そこに隊長と呼ばれた黒髪の女性が出てくる。

どうやらレックスの知り合いのようだ。
アズリア・レヴィノスと名乗った女性は少しレックスと話した後、互いに剣を抜き、緊張した雰囲気が流れた。

だが、そこに前に殴った奴がウィルに剣を向けて叫んだ。
あいつ!ウィルを人質にしやがった!!

俺は素早く岩を落としてやろうとしたけど……

「そこの虎も動くんじゃねぇ!!吼えて岩を落とす事は知ってんだ。吼える動作を見た時点でこの小僧を殺すぞ」

くそっ!このままじゃ一方的にやられるだけだ!

アズリアって人はあの野郎、ビジュって奴にウィルを離すように命令する。
どうやら卑怯な事を嫌う人のようだ。

だが、奴は命令を無視。挙句の果てに味方であるアズリア達が動いてもウィルを殺すとか言い始める。どんだけクズなんだ!

ビジュはレックスには武器を捨てるように、俺には動かないように言ってきた。
レックスは言われたとおり剣を捨てる。

ウィルは驚きつつもなんでこんな奴の言う事聞くんだ!と叫ぶが、ビジュに殴られてしまう。

どす黒い何かがこみ上げてくる感じがする。
あいつ……殺していいか?

そう思っていると奴は召喚獣を使ってこちらに攻撃してきた。
俺は我慢できずに反撃しようとしたがレックスが俺を召喚獣の攻撃から抱き寄せて庇った。

「ガウ!」

「今、反撃しちゃだめだ」

そのままレックス召喚獣からの攻撃を耐え続けた。
さらに何かがこみ上げてくる感じがした。

あいつ、許さナイ。

そしてレックスは召喚獣の攻撃を耐え切る。

ウィルがどうして!と叫ぶけど、レックスは約束したからと絶対守ってみせると苦しそうにしながらも言う。

そしてビジュがトドメをさそうとした時、ウィルが叫んだ。
その瞬間、緑の光が輝きその中から出てきたテコがビジュに攻撃して召喚を阻止すると共にウィルが開放された。

ウィルは急いでレックスに駆け寄る。
レックスは何とか大丈夫だったようだ。

そこにカイルやアルディラがやってきた。カイルはビジュを殴り、ヤードがレックスを回復させる。

戦闘が始まろうとしていた。

VSアズリア率イル……

「ユエ……?」

レックスの声がした。

彼は足元にいた自身の相棒がいつもと違う事に気付いた。

「ぐるルるるルルル」

真っ白な毛並みは黒く染まり始め。

金の目は赤く、ほの暗い光を宿していた。









 
 

 
後書き
謎の急展開?
はい……自分でもよくわかってないです。普通に戦闘シーン書いて終わらせるはずがいつの間にかこうなってました。

次回はどうなるのやら……
 
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