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子虎迷走記

作者:蒼鈴六花
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第6話 気付いた心、互いの始まり 前編

 
前書き
久しぶりな投稿です。

ちなみに前編後編は原作ゲームの1話にあわせてやってます。
 

 
今日は良い天気だ。
ぐーっと伸びをする。

ちなみにレックスが俺を枕にして俺が反撃するのはもはや恒例行事と化していた。
今日は頭に噛み付いてやったぜ!

近くにいたレックスが今日は天気が良いし、集落の皆に会いに行こうと提案。
それいいね。でも、授業忘れてるだろお前。

どう注意しようかと思ってるとウィルが入ってきた。
こりゃタイミングが悪い。

やっぱり授業を忘れてた。しかもそれがウィルにバレた。
怒ってるよ……レックス気付いてないけど。

そんな悪い空気の中、授業は始まった。

今日の授業は召喚について。
……俺は召喚できないから見てるだけだけどねー。

それから護衛獣の儀式をしてテコが正式にウィルの護衛獣になった。
ちなみに俺は正式に契約してる。だから儀式を見るのは二回目だ。

そして儀式終了後、レックスは召喚獣には普通の食べ物意外にも特殊な食べ物が食べられる事を話し始めた。

な、なんだと?そんな食べ物があったのかー!!

なんかレックスがテコに天地万象チョコとか某有名?なチョコを想像するような名前のチョコをテコにあげてる。猫にチョコあげていいのか?とも思うけどここは異世界!常識が当てにならないぜ!

てか俺にもなんかちょーだい!!

「うわあ!引っかくなユエ!」

唐草うどんってのをぶんどって食べた。

「あ、ユエ!それは鬼妖界の召喚獣の食べ物だよ!」

うま~♪

「すごくおいしそうだね……」

明らかに機界のやつは食べれそうにないけど、他のはおいしそうだったし!
匂いも大丈夫。おいしいっす!

「ガフゥ……(ごっそさん)」

「ユエがそれでいいならいいんだけど……ほんとに不思議だねユエは」

そんな感じで授業は終わった。

それから、集落に行く前に魚を釣りに行こうとしたんだが……

「ガウ?……ギャウ!?ギャウウウーー!!」

「どうしたんだいユエ?って引っ張らないでよ!」

レックスの服を引っ張り無理やり連れて行く。
人が倒れていたからだ。

レックスは倒れてる人に気付くと慌てて走り出し、声をかけた。
息はしてるから生きてる事がわかる。

俺達は急いで倒れてた少年をラトリクスに運んだ。



ラトリクス。

クノンから命に別状はない事を聞いて安心した。
安静にしてれば大丈夫だそうだ。

その後はアルディラ達と少し話して最初にやろうとしていた集落巡りをする事になった。

風雷の郷に行ってから、メイメイの店にも立ち寄る。

だが先客にソノラがいた。

レックスが声をかけるとなんだか暗い表情で返事をした。

爆弾娘になにがあったんだ?

するとメイメイが、ソノラが鉄砲を欲しがってる事を教えてくれた。
どうやら護人との約束らしい。

銃は他の武器と違って安易な気持ちで使えるからだそうだ。
間違いが起こったら大変だしな。

護人の許可をもらったらいくらでも売ってあげると言いにゃあははははと笑い出すメイメイにソノラは禁断症状を起こしかけるし、わりとカオスな事になった。

その後若干レックスの顔が疲れていたが、気のせいだろう。

「気のせいじゃないよ!」

お、お前はエスパーか!
だって俺、虎だよ?手伝おうにも手伝えないじゃん!

しばらく俺はレックスにジト目で見られる事になった。



その後、狭間の領域に行ってからユクレス村の広場に来るとスバル達がいた。

いつもユクレスの前に集まって何して遊ぶか決めるらしい。

一緒に遊ぼうと誘われた俺とレックスはスバル達と遊ぶ事になった。

ってレックスも遊ぶのかよ!
まあ、意外に子供っぽい所あるけどさぁ……お前何歳よ。

……

し、しまった自爆した!!俺も思いっきり遊べる歳じゃなかった!!
子供になってる事に違和感なくなってきたよ!

やばい、やばいよ!

俺は後3年で成人だぞ!子供だが子供じゃない年齢だよ!
妖精さんや10才くらいの子供とわいわい遊ぶ年齢じゃ……

「なにしてるですかーユキユキさーん!置いてっちゃいますよー!」

「ギャウー!」

俺は結局敗北した。

何にとは聞かないでくれ……



所変わって風雷の郷。

大きな池の前に案内された。
池には大きいハスみたいな葉っぱがたくさん浮いている。

おばけ水蓮って言うらしい。大きさは大人が乗れるくらいのでかさがある。
なるほど、確かにお化けサイズだ。

すると説明してたスバルがハスの葉の上に飛び乗った。
けど沈まない。すげー!

ふわふわ弾んで楽しいらしい。
やるやる!俺もやる!

飛び乗ると確かにふわりと弾む。
おもしれー!!

「ギャウウ♪」

「ユキユキさん楽しそうですー」

「ほんとだー」

次々とハスの上を飛んでも大丈夫。
でもレックスは長く乗ることができないようだ。

さすがに大人の体重は長く支えられないらしい。

そこからどれだけ早く向こう岸につけるか勝負が始まった。
虎の本気見せてやんよ!

スタートと同時にフルスピードでハスの上を飛んでく。

「は、速い!」

レックスは驚きながらもハスを飛んでる。

「ユキユキさんすごいですー!地面の上を走ってるみたいですよー!」

フハハハハハ!実践で地味に鍛えられてる俺のスピードは誰にも負けないぜ!!



……ただいま絶賛自己嫌悪中の俺です。

あまりのハスの楽しさに何かのたがが外れたようです。
途中から記憶が曖昧です。

どんだけ楽しかったんだよ!
心が少年に戻りすぎだよ!いや、もはや幼児だよ!

しかも周りから見ても異常なほど楽しんでたらしい。性格明らかに変わってるよね?豹変したよね?みたいな感じだったらしい。

もうヒャッハーとか言い出しそうな勢いだったとか。

穴があったら入りたいどころか穴掘って入るレベルだよ!

うわあああああああああん!!!

その後、レックスに抱えられすすり泣く子虎の姿が確認された。



場所変更。ユクレス村、畑。

ジャキーニとカイルが話していた。
レックスもそれに混じる。

話の内容?この島を出ようとすると決まって嵐が起こり、元いた場所に戻されるそうだ。

え?何か説明にやる気がない?
やる気って言うか気力全体がないです。

どよどよの暗いオーラ全開でレックスに抱えられてます。

カイルがだ、大丈夫なのか?と聞くけど答える元気もない。レックスは苦笑しながら多分大丈夫じゃないと答えた。



その後、ぶらぶら歩いて狭間の領域に寄っていくと雷が落ちた。

空は晴れているのに何故か雷が落ちる。大分近くに落ちたから火事とかが心配になり、レックスは俺を抱えて行くと、タケシーが一匹いて泣いていた。

会話は出来ないのでフレイズを呼んで通訳してもらう。

タケシーの棲家を他の召喚獣が襲ったらしいよ。

まだ復活してないです。
抱えられながらだらーんとしてます。

だから走らないでくれー。揺れるー、気持ち悪いー。



タケシー達の棲家。

レックスが皆を呼んで一人で飛び出したフレイズの加勢に来てるよ。
俺?気持ち悪くて青ざめてます。

でも戦闘が始まるみたいです。

VSあくぎょうしょうかんじゅー
勝利条件:敵の全滅 敗北条件:レックスorフレイズorユエの戦闘不能って俺もう戦闘不能なんですけどこれってどうすれば……

戦闘開始!

ちょ、レックスさん俺のセリフ取んな。え?戦えって?無理。……分かったよ。だからそんな目で見るな。

このきのこ共を殺ればいいんだろ?殺ってやんよ……



「ギギャアアアア」

きのこ達の悲鳴が森に木霊した。
タケシーは怖がり震え木の影に隠れた。

その後、きのこ達を見るものはいなかった。

はい、戦闘終了。俺復活!

ん?どうしたレックス?そんな呆れるようにも見える乾いた笑いして。

とにかく戦闘は終わった。また散策しようぜ。



風雷の郷。

ミスミはレックスに頼みたい事があるらしい。

なんでも学校の先生をして欲しいようだ。
ちなみに生徒はスバルとパナシェのみ。
教える内容はこの世界の事。

故郷の世界については里の人が教えてあげられるけどこの世界の事については無理だから。

ミスミは閉ざされた世界であるこの島もいつまでもそのままではないと思っていた所に俺達が来た。

いずれもっと多くの人間がこの島に訪れるであろう。その時に島を担うのはスバル達だから、過去のような戦を繰り返す事のないように、この世界の事を知って欲しいようだ。

頼まれたレックスは、考えさせてくださいと答えたのだが、いきなりこんのォ……バカタレがァァッ!!と怒鳴り声が響いた。

み、耳がビリビリす、る……

「だ、大丈夫?ユエ?」

大丈夫じゃねーよ……鼓膜が~……

その後レックスは俺の耳に大ダメージを与えた爺さんに連れて行かれ、俺はミスミに捕まって膝の上に乗せられ撫でられ続けた。



「ユエ殿はほんに良い毛並みじゃのう」

「ゴロゴロ」

途中から猫のようになっていた俺だ。



のどの下撫でられると勝手にゴロゴロのどが鳴るんだよ!

き、気持ち良かったとかじゃないんだからね!




 
 

 
後書き
なんかユエが散々な目にあってる前編。
後半はきっとシリアスになるはず……

ちなみにきのこはユエのストレス発散と言う名のサンドバッ……八つ当たりにあったようです。

 
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