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イベリス

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第百二十九話 すっきりしてその六

「退屈から逃れる為でしょ」
「そうね、何もしないのって」
 咲もそれはと返した。
「嫌よね」
「そうでしょ」
「だから私も漫画やラノベ読んで」
「ゲームしてアニメ観てるわね」
「そうしてるわ」
 そうした趣味の話をした。
「趣味でね」
「本当に退屈しなかったら」
「それでいいのね」
「そうよ、だからね」
「駅巡りもなのね」
「しましょう、ただその前に」
 愛はさらに話した。
「朝ごはん食べてモコちゃんのね」
「お散歩ね」
「そっちにも行きましょう」
「あんた達モコのお散歩行くの?」
 ここで咲の母が来て言ってきた。
「そうするの?」
「あっ、お母さんおはよう」
「おばさんおはよう」
 二人で咲の母に挨拶をした。
「実は今そんなお話してたの」
「二人でね」
「だったら今から行って来てくれる?」
 母は二人の話を聞いて今度はこう言った。
「そうしてくれる?」
「今からなの」
「モコちゃんのお散歩行って来ていいの」
「あんた達が行ってる間にお母さん朝ご飯作るから」
 だからだというのだ。
「そうしたらお散歩から帰ったらね」
「ご飯ね」
「そうなるわね」
「だから丁度いいでしょ、お父さんも起きて来るし」
 咲の父もというのだ。
「いいでしょ」
「そうね、それじゃあ」
「今からね」
「今日は目玉焼きとお味噌汁よ」
 咲の母はメニューの話もした。
「あと納豆も出すから」
「あっ、納豆」
「いいわね」
 二人共納豆と聞いて笑顔になった、咲も愛も納豆は好きでよく食べるのだ。勿論朝も食べることが多い。
「それじゃあね」
「今からね」
「行ってきてね、お母さん起きたら」
 そうしたらと言うのだった。
「モコケージから出て来て」
「お散歩に行きたい」
「急かしてるの」
「ご飯も元気よく食べてね」
 そうもしてというのだ。
「だからね」
「それじゃあね」
「行って来るわね」
「そうしてね」
 こう話してだった。
 二人でモコの散歩に出た、するとモコは。
「ワンワン」
「いつも通り元気ね」
 咲はそのモコのリードを持ちつつ言った。
「凄く」
「そうね、別にね」
「別に?」
「咲ちゃん心配してないわね」
「そういえば」
 ここで咲はモコのあることに気付いて言った。 
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