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X ーthe another storyー

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第四十四話 地絆その十三

「だからね」
「会ってないのね」
「また会う時が来るから」
「その時に会うのね」
「そうするよ」 
 こう言うのだった。
「またね」
「うん、そうしてね」
 北都もそれでいいと答えた。
「私もそうだと思うから」
「また彼女に言う時が来る」
「今あの娘はあそこにいて」
「神威の傍に」
「彼を支えているけれど」
「まただね」
「牙暁ちゃんがアドバイスする時がね」
「来るね」
「それでその時にね」
 北都は微笑んで話した。
「助けてあげてね」
「そうさせてもらうよ」
「うん、あとね」
 北都はさらに話した。
「星ちゃんに言われたでしょ」
「色々言われたよ」
 牙暁はこう返した。
「そのうちのどのことかな」
「牙暁ちゃんが目覚めることよ」
「戦いが終わったら」
「そのことをね」
「そうなったら嬉しいね」
「きっとそうなるよ」
 牙暁ににこりと笑って話した、その笑みを見て牙暁は自然と心が癒された。そのうえで北都の話を聞くのだった。
「私もそう思うよ」
「そうなんだね」
「根拠はないけれど」
 牙暁が目覚めることについてのそれはというのだ。
「けれどね」
「そうなるとだね」
「私も思うから」
 だからだというのだ。
「楽しみにしておいてね」
「そうなるなら」
 牙暁は微笑んで応えた。
「尚更希望が持てるよ」
「自分自身のことでもあるから」
「ずっと夢の中にいて」
 目覚めることなくとだ、北都に話した。
「やはりね」
「寂しいよね」
「こうして夢の中で話せるけれど」
 それでもというのだ。
「起きた世界の時の様に」
「皆と普通に触れ合いたいよね」
「僕もね。それが出来るなら」
 それならというのだ。
「どれだけ嬉しいか」
「そう思って来たね」
「ずっとね」
 実際にというのだ。
「そうだったよ」
「それじゃあね」
「うん、楽しみにしているよ」
 こうも答えた。
「二人の言葉を信じて」
「やっていくね」
「そうしていくよ」
「それじゃあね。あと牙暁ちゃんは地の龍なのに」
 今度は彼の立場のことを話した。
「世界の滅亡は望んでないね」
「うん、そうだよ」
「他の地の龍も人達もどうもね」
「流されるまま任せようと思っていたりね」
「具体的には考えていないか」
「むしろ嫌だとね」
「思ってるね、けれど牙暁ちゃんは」 
 北都は彼を見てさらに言った。
「それを出してるね」
「うん、地の龍でも」
 そうであってもとだ、北都の言葉に答えた。
「この世界も人間もね」
「ずっとあって欲しいね」
「そうだよ、見ていてね」
 夢の中からというのだ。
「素敵だと思うから」
「それでよね」
「ずっとね」
 それこそというのだ。
「この世界はね」
「人間も含めて」
「このままでいて欲しいよ」
「そう思ってるのね」
「地の龍の務めはわかっているけれど」
 地球の為に人間を滅ぼすそれがというのだ。
「けれどね」
「それでもよね」
「例えそれが表向きの理由でも」
 そうであってもというのだ。 
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