| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

X ーthe another storyー

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第四十四話 地絆その十四

「けれど」
「それでもよね」
「そう思っているよ」
「人間は滅んで欲しくない」
「醜い面もあるけれど」 
 人間にはというのだ。
「それと共にね」
「奇麗な面もあるよね」
「だからね」
 そうしたものだからだというのだ。
「魅力的だしその姿をね」
「ずっと見ていきたいね」
「最初からそう思っていたから」
 だからだというのだ。
「本当にね」
「人間に滅んで欲しくないのね」
「そう思っているよ」
「そうなのね」
「うん、そして」
 牙暁はさらに話した。
「今はそうなるとね」
「希望を持ってるのね」
「そうなったよ」
 まさにというのだ。
「今の僕は」
「そうなのね」
「そして」
「そして?」
「北都ちゃんと知り合えて友達になれて」
 彼女自身を見て話した。
「よかったよ」
「そう言ってくれるの」
「うん、凄くね」
「友達っていいよね」  
 牙暁にここでもにこりと笑って述べた。
「温かいよね」
「そうだね」
「私も一人だと駄目だし」
「生きている頃から」
「昴流ちゃんと星ちゃんがいてくれたから」
 だからだというのだ。
「やっていけたし今もね」
「僕がいるから」
「それでね」
 その為にというのだ。
「友達がいたら」
「それだけで違うね」
「人間一人でもやらないといけない時もあるけれど」
「それでもだね」
「誰かがいてくれたら」
 友達がというのだ。
「それならね」
「いいね」
「そうよね」
「本当にね」
「私あと少しこの世界にいるから」
「戦いが終わるまで」
「その時までね」
 そうするというのだ。
「だからね」
「その時までは」
「こうしてべ」
「僕と友達として」
「お話していこう」
「嬉しいよ」
 また微笑んでだ、牙暁は応えた。
「そう言ってくれて」
「私もそう言われてね」
「嬉しいんだね」
「そうよ、これから戦いはどんどん激しくなるだろうけれど」
「皆にアドバイスしていくよ」
「そうしていってね」
「希望は見えてきているから」
 それ故にと言うのだった。
「だからね」
「皆にも言えるね」
「うん、だからね」
 それでというのだ。
「僕だってね」
「明るくね」
「やっていけるよ」
「そう、明るいとね」
 北都は牙暁の今の言葉に笑顔で応えた。
「それだけで強いから」
「笑う門にはだね」
「そうよ、福来たるよ」
「その通りだね、じゃあ笑顔にもなって」
 彼もまた笑顔になっている、そのうえでの言葉だった。
「地の龍の皆にね」
「声をかけていくわね」
「そうして導いていくよ」
「それじゃあね」
 北都も応えた、そうしてだった。
 二人はそれぞれ深い眠りに入った、眠りに入るその顔もまた笑顔であり希望を見ているものであった。


第四十四話   完


                    2023・9・15 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧