イベリス
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第百二十五話 品選びその九
「間違ってます」
「そうだよ、あとな」
「あと?」
「これ日本人の制度だからな」
生活保護はというのだ。
「日本人だからな」
「貰えますね」
「税金納めてるな」
「だからですね」
「外国人はな」
この人達はというのだ。
「国籍がな」
「違うから」
「それはな」
生活保護が貰えないことはというのだ。
「当然だろ」
「国籍が違うので」
「それをな」
このことをというのだ。
「ここの昔の知事さんがな」
「都知事さんですね」
「美濃部亮吉っていうのがな」
「ああ、あの大赤字の」
咲はその名前を聞いてすぐにこう返した。
「都の財政をそうした」
「その人がそうしたことをな」
「はじめたんですね」
「色々おかしな人でな」
この美濃部亮吉はというのだ。
「そうしたこともしたり他にもな」
「やってるんですね」
「そうだよ、当時は人気があってな」
「当選していたんですね」
「それで当選し続けてな」
その結果というのだ。
「そうした問題もな」
「起こってですね」
「残ってるんだよ」
「そうですか」
「都知事さんも色々な人いただろ」
これまでというのだ。
「その中にはな」
「そんな人もいて」
「問題も起こしてるんだよ」
「何か東京って」
咲は微妙な顔になって述べた。
「政治は」
「おかしなこともな」
「あるんですね、こうしたお話実は」
「前に誰かとしたことがあるか」
「生活保護のことは」
その時のことを思い出してマスターに話した。
「そういえば。美濃部さんのことも」
「結構有名だからな」
「今もですね」
「本当にその時はな」
美濃部亮吉が現役の頃はというのだ。
「いいって言われてな」
「人気があって」
「当選し続けてたんだよ」
「そうだったんですね」
「けれどな」
それがというのだ。
「後になってな」
「駄目だってわかったんですね」
「生活保護や赤字だけじゃなくてな」
東京都の財政をそうさせたことでなくというのだ。
「例えば水道工事とかあるだろ」
「絶対にしないと駄目ですね」
「堤防築いたりな」
「東京って危ないんですよね」
咲もこのことを知っていて言った。
「ゼロメートル地帯とかもあって」
「だから洪水もな」
「起きますね」
「ちゃんとした堤防築いておかないとな」
「川多いですから」
「けれどそうした工事もな」
都民のことを考えれば絶対必要なそれもというのだ。
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