イベリス
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第百二十一話 毎日見たいのでその十三
「立場がある仕事でもな」
「破滅しますね」
「そうなってな」
そしてというのだ。
「何もなしだよ」
「そうなりますね」
「世の中って儚くもあるんだよ」
「地位もお金もですね」
「一瞬で手に入る場合もあればな」
「一瞬で消える場合もありますね」
「特に屑な奴だとな」
それこそというのだ。
「遅かれ早かれな」
「そんなものはですね」
地位や金、世間で重要と思われるものはとだ。咲も言った。
「自分から逃げますね」
「神様か仏様が取り上げるのかもな」
「悪いことをすると」
「悪銭身んつかずともいうだろ」
マスターはこの言葉も出した。
「ヤクザ屋さんや半グレみたいな連中は金稼いでもな」
「それをずっと持っていることはないですね」
「あぶく銭ってことで使いまくってな」
そうしてというのだ。
「終わりはな」
「捕まったり内輪のことで消されたりして」
「そうして破滅してな」
「終わりですね」
「そうさ、だから中身なんだよ」
「大事なのは」
「金持ってたり地位があったり両方でもな」
それでもとだ、また咲に話した。
「葛ならだよ」
「あっという間に失うので」
「だからそうした奴とはな」
「見極めて」
「そうしてな」
「そんな人だとわかったら」
「付き合わないことだよ、まあ利用して金引き出したりいい目見たいならな」
そう考えるならというのだ。
「傍にいてもいいけれどな」
「そうじゃないとですね」
「関わらないことだよ」
「そうですか」
「まあそんな奴と付き合う奴なんてそんなのばかりだよ」
「利用しようって思ってる人だけですね」
「そうさ、屑と付き合うならな」
「もう利用するだけですか」
「友達とか彼氏とか旦那さんとかな」
そうした相手にはというのだ。
「間違ってもな」
「持つべきじゃないですね」
「ああ、泣くのは自分だ」
そうした輩と付き合えばというのだ。
「いいことはないしその時金とか地位にありつけてもな」
「やがて全部ですね」
「なくなるからな」
「性格を見ることですね」
「性格なんだよ」
まずはというのだ。
「何といってもな」
「それを見ることですね」
「顔立ちもな、これも人相で変わるだろ」
「物凄く変わりますね」
「そうなんだよ」
こちらのこともというのだ。
「生き方でな」
「変わるので」
「元の顔がよくてもな」
そうであってもというのだ。
「性格が悪いとな」
「お顔も損なわれますね」
「人相はどうしようもないんだよ」
生き方が出るそれはというのだ。
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