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X ーthe another storyー

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第三十四話 外宴その九

「この目はあまりです」
「見せたくないのね」
「こうしたことを不快に思い方もおられますね」
 だからだというのだ。
「出来るだけです」
「見せたくないのね」
「はい、ですがそう言ってくれて」
 庚の言葉を受けて言うのだった。
「そして僕も皆さんになら」
「見せてもいいのね」
「心を許せる様になったので」
 だからだというのだ。
「ここはです」
「サングラスを外して」
「この目を見せられます」
「そうなのね」
「これまでは二人だけでした」
 双子の姉弟の顔を思い出しつつ言った。
「この目を見せられるのは」
「そうだったのね」
 颯姫が応えた、静かに赤ワインを口にしている。
「これまでは」
「ですが皆さんなら」
 地の龍の仲間達ならというのだ。
「安心してです」
「見せられる様になったのね」
「そうなりました」
「それは何よりね」 
 颯希は星史郎のその言葉を受けて述べた。
「貴方がそうであるなら」
「それならですね」
「それに越したことはないわ。目が片方見えなくても」
 それでもとだ、颯姫は星史郎にさらに話した。
「別にね」
「何ということはないかしら」
「確かに視界は狭くなるわ」
 これはあるというのだ。
「けれど他に何があるかしら」
「問題はないですね」
「後は残った目に負担をかけないことよ」
 このことが大事だというのだ。
「労わることよ」
「それが大事ですか」
「別に不快に思う理由はないわ」
「あの、何か問題がありますか?」 
 哪吒は白ワインを飲みつつ星史郎に尋ねた。
「星史郎さんが苦労されるだけで」
「他の人が不快に思うことはですか」
「ないじゃないですか」 
 こう言うのだった。
「身体の何処かが悪くても」
「その通りです。ですが」
 それでもとだ、星史郎は哪吒に話した。
「片目を見てです」
「深井に思う人もですか」
「おられまして」
 そうしてというのだ。
「そうした人達がどう思われるか」
「そのことがでか」
「それが問題なので」
 だからだというのだ。
「私はです」
「普段はサングラスをかけられて」
「そしてです」
 そのうえでというのだ。
「目を隠しています」
「そうですか」
「それにサングラスをかけていますと」 
 星史郎はジンを飲みつつ話した。
「目のガードにもなるので」
「いいんですね」
「はい」
 哪吒の空いている皿にソーセージを入れつつ話した、見れば地の龍の面々は互いにそうそた配慮をし合ってもおる。 
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