星河の覇皇
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第八十四部第一章 梟雄の復活その二
「普通の食事でもレーションでもな」
「冗談抜きでまずく感じるな」
「勝ってたら何でも美味く感じるのに」
「それがな」
「負けてたらな」
「何食ってもまずいな」
「冗談抜きでな」
こう言ってそれぞれ紅茶やコーヒーを飲むが。
兵士の一人が自分が飲んでいるコーヒーについてこう言った。
「このコーヒーもまずいな」
「ああ、まずいな」
別のコーヒーを飲んでいる兵士が応えた。
「実際な」
「そうだよな」
「同じコーヒーなのにな」
「いつも飲んでるな」
「そんなにまずい筈ないのにな」
それがというのだ。
「まずいな」
「冗談抜きでな」
「砂糖も入れてるのにな」
「クリープもな」
「それでも味落ちてるな」
「そう思えるな」
「舌も変わってないのに」
その筈なのにというのだ。
「まずく感じるな」
「随分とな」
「これが負けてるってことだな」
「負けてるとな」
「本当に何食っても何飲んでもまずいな」
「嫌なものだよ」
「紅茶もだよ」
紅茶を飲んでいる兵士が言ってきた。
「こっちもな」
「まずいか、そっちも」
「ああ、これまでと同じパックの筈なのにな」
ティーパックはそれでもというのだ。
「水だってな」
「同じだよな」
「それでもな」
「まずいか、紅茶も」
「こっちもな」
どうにもというのだ。
「砂糖もミルクもな」
「入れていてもか」
「イギリス風にしているけれどな」
ミルクティーはサハラではイギリス風の飲み方とされている、連合でも広く飲まれているが連合では普通にミルクティーと言われているだけだ。
「それでもか」
「ああ、まずくてな」
「飲みにくいか」
「水よりましだけれどな」
味はあるがというのだ、紅茶の。
「水は水の味があってもな」
「やっぱり飲むなら紅茶の方がいいよな」
「それでもな」
「まずいか」
「本当にまずいな」
どうにもという言葉だった。
「紅茶も」
「コーヒーと同じなんだな」
「やっぱり気落ちしてるとな」
「コーヒーも紅茶もな」
「まずくてな」
「嫌になるよな」
「本当にな」
これだけでというのだ。
「どうにも」
「ったく、勝てると思っていたのが」
「またあの魚雷受けて負けるとかな」
「ないよな」
「本当にな」
「あれがなかったらな」
それこそというのだ。
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