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星河の覇皇

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第八十三部第五章 謎の兵器の正体その五十三

「それはです」
「不思議ですね」
「八条家の方では」
「そうですね」
「私も聞きますと」
 どうにもと言うのだった、執事は。
「そう思えてきました」
「何故でしょうか」
「大旦那様と奥様はこれまで」
「そうしたお話もです」
 これもというのだ。
「一切です」
「されませんでしたか」
「そうでした、しかも私は女性にはです」
「縁がですね」
「なかったですし」
 八条が主観で思うことだ。
「悪戯の手紙やお友達になろうという」
「そうしたお手紙はですか」
「頂きましたが」
 これも八条が思うにだ。
「そうでしたが」
「それでもですか」
「ラブレターはです」
「貰ったことはないですか」
「告白も」
 やはり八条が思うにだ。
「受けたことがないです」
「まことにですか」
「親しいお友達になって下さいという」
「そうしたお言葉はですか」
「よく受けたのですが」 
 学生時代にである。
「ですが」
「それでもですか」
「はい、告白はです」
 それはというのだ。
「恋愛のそれはです」
「受けたことはないですか」
「一度も」
「旦那様は嘘は言われないです」
 執事もこのことはわかっている、八条は嘘は特にこうしたことでは言わないことは長年彼に仕えていて知っているのだ。
「そのことは」
「貴方もご存知ですね」
「はい、ですが」
「ですがとは」
「思い違いでは」
 八条の恋愛についての鈍感さについても知っていて言うのだった。
「それは」
「そうでしょうか」
「お手紙やお言葉を何度も受けていますね」
「小学生の時から」
 高学年、そろそろそうしたことを知る年齢になってすぐにだ。彼にはそうした話が次々に来たのだ。
「大学卒業まで」
「そうでしたか」
「どれも百は」
「ありましたか」
「ですがまことにです」
 八条は執事にさらに話した。 
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