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星河の覇皇

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第八十三部第五章 謎の兵器の正体その五十二

「いません」
「そのことがですか」
「前から思っていましたが」
「今は特にですね」
「はい」
 まさにというのだ。
「その様にです」
「思われていますか」
「どうも」
 こう言うのだった。
「その様に」
「そうですか」
「何故私にはそうした方がいないのか」
「そういえば」
 執事もここで言った。
「八条家の方は」
「どの人もですね」
「大抵は許嫁がいますね」
「古い家ですから」
「だからですね」
「そうしたしきたりが残っていて」
 この時代の連合は自由恋愛の国とされている、その為こうした風習はかなり廃れているのである。だがそれでもだ。
 八条家は古い家でしかも巨大企業の経営者の家だ、それでなのだ。
「それで、です」
「そのうえで」
「その為に」 
 まさにというのだ。
「八条家の人は」
「大抵ですね」
「許嫁の方がおられて」
「それで、ですね」
「大抵は大学を卒業しますと」
 そうして社会人になると、というのだ。
「許嫁の方と結婚し」
「そうしてですね」
「そのうえで、です」
「家庭を持ちますね」
「弟達や妹達もそうでしたし」
 それにというのだ。
「他の人もです」
「結婚されていますね」
「代々の総帥もそうでした」
「ですが」
「はい、私はです」
 八条は自分のことも話した。
「これまでです」
「そうした方はですか」
「おられず」
「今に至りますか」
「はい」
 まさにというのだ。
「そうなっています」
「そうですか」
「そして」
 八条はさらに話した。
「私が考えますに」
「今はですね」
「自分の職務に専念し」
 連合中央政府国防長官のそれをというのだ。
「そしてその後で」
「職務を全うされて」
「その後にです」
「八条家の当主そして」
「八条グループの総帥となる」
「その前にですね」
「お父様とお母さまにお話をして」
 そうしてというのだ。
「結婚相手の方を見付け」
「結婚される」
「そうします、ですが考えてみますと」
「旦那様にだけ許嫁の方がおられない」
 八条家の者の中でだ、尚この結婚は殆ど政略結婚めいたもので有力な企業の経営者の一族の者と結婚するものばかりだ。 
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