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星河の覇皇

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第八十三部第五章 謎の兵器の正体その五十

「必ずです」
「良縁が、ですか」
「ありますので」
「そうであればいいですね」
「そのお言葉は」
「良縁を信じていないとですか」
「そう聞こえましたが」
 若い執事には実際にそうだった。
「まさか」
「いえ、実際にです」
「旦那様は」
「女性に縁はないので」
「そうでしょうか」
「私は生まれてからです」
 まさにとだ、八条は自分で言った。
「こと女性にはです」
「縁がですか」
「ないので」
 だからだというのだ。
「ですから」
「そうですか」
「友人が多くてそのことは嬉しいですが」
 そう思っているがというのだ。
「ですが」
「それでもですか」
「はい、恋人や交際相手という」
「そうしたお話はですか」
「ないので」
 やはり自分ではこう言う、尚これは八条の主観であり周囲の目は全く違う。八条が知らないだけでだ。
「ですから」
「ご結婚も」
「苦労するとです」
「思われていますか」
「これはいんねんでしょうか」
 八条は自分の家の宗教である天理教の教えも思い出した。
「私の」
「そちらで、ですか」
「恋愛にはです」
「縁がない」
「一族ではそうしたお話がないので」
「旦那様の魂ですか」
「それのことで」
 それでというのだ。
「私は恋愛はです」
「縁がないですか」
「そうも考えています」
「私はそうは」 
 若い執事から見てもそうでありどうかという顔で言うのだった。
「それは」
「左様ですか」
「ですから」
 それでというのだ。
「どうもです」
「そうは、ですか」
「思えないです」
「そうなのですか」
「きっとです」 
 若い執事は断言した。
「ご結婚に動かれれば」
「すぐにですか」
「はい、良縁が用意されていて」
 神にというのだ、この場合は天理教の神である。
「きっとです」
「結婚出来ますか」
「素晴らしい方と」
「そうであればいいですが」
 それでもとだ、八条は少し苦笑いになって述べた。
「私もです」
「ご結婚はですね」
「これでも前向きに考えています」
「そうでしたね」
「はい、ですが」
 それでもというのだ。 
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