超地球救済戦記!断罪王Ω〈オメガ〉~戦争もやめねぇ!環境破壊もやめねぇ!バカで愚かな人類は身長170センチ以下の無職童貞ニートの俺が全員滅亡させる‼~
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第二百九十四話 汚部屋清掃ボランティア その6
第二百九十四話 汚部屋清掃ボランティア その6
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。
汚部屋清掃ボランティアに近所でうまいと評判のうまいラーメン屋で遭遇した鈴原サヤカが加わった。
金子さんが運転する俺と先輩と部長とサヤカを乗せたトラックがゴミ屋敷の主・先原エリカの自宅の前に止まる。
昨日のうちに、汚部屋の清掃は完了しているのだが、まだ庭には大量のゴミがたまっていた。
今日、この汚庭の清掃をすれば、今回の汚部屋清掃ボランティアは終了となる。
トラックから降りた俺はエリカの自宅のインターホンを押す。
しかし、インターホンからは誰の声も聞こえず、自宅からエリカが出てこない。
俺は恐るおそる、ドアノブを引いてみる。
なんと鍵が施錠されていなかった。
部長が叫ぶ。
「あいてんじゃーん‼」
俺達は恐るおそるエリカさんの自宅に入る。
ゴミの山がなくなったリビングの中央で、男が刃物で誰かをめった刺しにしている。
俺は叫ぶ。
「お前!なにをやってるんだぁ?」
刃物を持っている男は満面の笑みを浮かべながら、俺たちに胴体から切り離されたエリカさんの頭部を見せつける。
「お前、誰だぁ!どうして、エリカさんを殺したんだぁ!」
「僕の娘は、この女の夫に殺されたんだよ...」
確か、エリカさんの夫は数年前にパブリックブレイク現象により、パブリックモンスターになり暴走、そしてPGS(パブリックガーディアンズ)に処刑されたのだ。
それじゃあ、もしかして。
「この女の夫はパブリックモンスターになって、俺の娘をバラバラにしたんだ!だから僕は娘のために、この女を殺した...」
「どうして、どうして今になって殺したんだ!エリカさんはゴミ屋敷を片づけて、新たな人生をスタートさせようと必死に頑張っていたんだぞ!」
「そんなの知るか、もうすぐ人類はパブリックブレイク現象で滅びるんだ...だから生きているうちに復讐をした、それのなにが悪い?」
「アンタの娘の殺したのはエリカさんじゃない!エリカさんの夫だろ!」
「だからだよ、事件を起こした加害者だけでなく、事件を起こした加害者の家族も社会的制裁を受ける、それが人間社会だ、この国の法が、この女を守るなら、僕がこの手で制裁する、そして実行した...」
「く、狂ってる...!」
「狂うさ、こっちは大切な娘を、この女の夫に奪われたんだ...それじゃあ、僕はこの女の首を持って家に帰るよ...そして娘の墓前に供えるんだ...」
男はエリカを斬殺したのこぎりを持って、俺たちのいる玄関に近づいてくる。
部長が現世に疾風の断罪剣フーガセイバーを召喚する。
地面に突き刺さった疾風の断罪剣フーガセイバーが部長に語りかける。
『さぁ...ぬきなさい』
疾風の断罪剣フーガセイバーを地面から引き抜き、両手に持った部長が、エリカさんを殺した男の前に立ちはだかる。
「待ちなさいよ‼」
「ん?なんだ君は?邪魔だよ、僕は家に帰るんだ!早くこの女の首を天国の娘に見せなくてはいけないんだ...」
部長が疾風の断罪剣フーガセイバーを男に向かって振り下ろす。
俺は急いで生命の断罪剣ライフセイバーを召喚して、部長の疾風の断罪剣フーガセイバーを受け止める。
「なにするんですか!やめてください!」
「山神君!どうして邪魔するのよ!あの男はエリカさんをバラバラにして殺したのよ!」「今ここで、あの男を殺したら、部長もあの男と同じですよ!ここは冷静になって警察に通報しましょう!」
「でも、人類は近いうちに滅びるのよ!だったら、今、殺すべきよ!」
「人類は滅びません、俺の断罪剣ライフセイバーの力があれば、きっと滅びません!」
「そんなの綺麗事よ!パァァァァブリック!・ハリケェェェェェェーンッ‼」
部長の疾風の断罪剣フーガセイバーから放たれたパブリックハリケーンがエリカを殺した男に直撃する。
「部長ォ!」
「安心して、威力は弱めたわ...」
エリカさんを殺した男が急に動きを止めて、床にうつむけに倒れる。
倒れた勢いで、男が手に持っていたエリカさんの頭部が床を転がる。
男に息はある。
「気絶...させたんですか?」
「ええ、早く、警察を呼びましょう...」
俺は見てしまった、
床に転がった、エリカさんの頭部を。
死ぬ寸前のエリカさんの顔を。
胴体から切り離されたエリカさんの顔は、笑っていた。
俺は思い出してしまった。
エリカさんが自傷を行為をなんども繰り返していた理由を。
それは、死んでしまった夫に会うためだった。
部長に言ったら怒られるかもしれない、でも、エリカさんにとって、この死は、救いだったのかもしれない。
気絶した男はそのまま、救急隊員に担架に乗せられて、救急車に運ばれた。
俺達はその場で、警察に事情聴取を受けた。
パトカーと救急車がエリカさんの自宅から去った後、俺たちは庭を埋め尽くしているゴミの山の清掃を始めた。
俺も部長もサヤカも泣きながら、ゴミを片づけていた。
金子さんはトラックの運転席でタバコを吸っていた。
庭の清掃を終えた俺達3人はエリカさんの自宅の玄関で、黙とうを捧げる。
金子さんはトラックの運転席でタバコを吸っていた。
黙とうを終えた俺はエリカさんの自宅の玄関に飾ってある、イラスト↓を見て思う。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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狂ってる。
こうして、汚部屋清掃ボランティアは終了した。
次回予告 異国からの脅威 その1
後書き
次回もお楽しみに
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