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魔法少女リリカルなのは〜転生者の誓い〜

作者:muuma001
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第二話・願う転生者




俺、高町みずなは朝早くから起きていた。

今日はとても大事な日だからだ。

「試合」

前世のオタクな俺には全く接点の無かった言葉。

今日俺が朝早く起きている理由でもある。

なぜなら


「おーい、みずな~、そろそろいくぞ~」


父が呼んでいる、

そろそろ行くとしよう。

今日は父がコーチをするサッカーチーム「翠屋JFC」の試合の日だ。

そして俺は「翠屋JFC」のレギュラー選手、

それが俺が朝早く起きている理由である

そうして俺は父の待つ玄関へと向かった。










試合がはじまり小気味よい笛の音があたりに響き渡る、

敵味方どちらにも闘志が漲っている。


「さあ、やるか…!!」


俺も静かに闘志を纏い、

勝利に向けて走り始めた。


「よっと…ッ!」


相手のパスに割り込み、ボールを奪う


「高町!!」


ゴール前でフリーとなっている味方が叫ぶ、

現在、俺の位置はセンターサークルの近く。

パスを回すには少々キツい距離ではある

しかし


「オラァッ!!」


ボールの生み出す独特の打撃音がフィールドに響き渡る

見事にボールは味方の元へ

そして、

そのまま味方がパスの勢いを止めずに蹴りで機動を変える

ボールは吸い込まれるようにゴールに突き刺さった。


「ウッシャァァァ!!」


味方の歓声がフィールドを埋め尽くす


「高町、ナイスパス!」


ゴール前にいた味方・・・坂本が俺に賞賛を投げかける


「いや、坂本こそ最後のシュート、ナイスだ!」


そう言って俺も坂本を賞賛する。


「二人とも試合はまだ始まったばかりだ、油断するなっ!」


父が俺達に檄を飛ばす。

敵チームを見ると活を入れなおしたのか

先ほどより闘志が漲っているが分かる。

特にキーパーからは絶対に入れさせないという覚悟が遠くからでもひしひしと伝わってくる。


「これは厳しい戦いになりそうだ…」

「そうだな…」


そうして俺達は目の前の敵に再び集中したのだった。









~試合終了~


試合終了の笛が吹かれる。


「試合終了!3-0で翠屋JFCの勝利!」



審判が試合の結果を宣言する。

それとともにフィールドは歓喜の声と悔しさを込めた声で二分され、

全員に漲った闘志が失せてゆく。

危ない試合だった、

結果は3-0と圧勝に見えるが

何度もゴールを決められそうになった。

今回の試合のMVPは間違いなくゴールキーパだろう。



「おーし、皆よく頑張った、いい出来だったぞ!練習どおりだ」

「はいっ!!」


父の言葉に皆で元気よく答える


「じゃあ、勝ったお祝いに飯でも食うか!」

「やったー!!」


かくして今回の試合は無事に俺達の勝利に終わったのだった。










「さて…」


試合が終わり、所変わって父の経営するお店。

俺は今からとある事件が発生することを思い出していた

そこでそれを防ぐために俺は行動を起こす事にした。


「お~い、ちょっと?」

「ん、高町何か用?」


そういってその事件の中心人物、・・・先ほどのゴールキーパの彼を引き止める。


「あのさ、最近練習中に大事な物落としちゃって」

「それで?」

「青い宝石なんだけどさ、なんかお前が似た物を持ってるって聞いてさ」

「ああ、これか?」


そう言って彼は青い宝石・・・ジュエルシードを鞄から取り出した。


「おお!それだ、返してくれるか?」

「そうか、高町のか…残念だ」


少々残念そうにだが彼はジュエルシードを渡してくれた。


「ごめんな、今度あの娘へのプレゼント一緒に考えてやるから」

「ば、ばか、そんなんじゃねぇよ!!」


そう言って彼は走り去ってしまった。

ふむ、この年代の男の子は自分の恋愛を他人に知られたくないらしい。

彼には悪い事をした、今度何か奢るとしよう。


「まあ、とりあえずこれをどうするかな?」


手の中のジュエルシードを見つめる。

まだ封印されていないため非常に危険だ、

早いところなのは達に渡したいところだが、

すぐにジュエルシードを渡せば

なのは達の中で俺の怪しさ指数が跳ね上がる事は目に見えている。

・・・まあ、俺が転生者だと明かすのも良いが

そちらに関しても怪しいことに変わりはない。

俺だって急に家族が「実は俺、転生者で未来が分かるんだ」

などと言い始めたらまず、頭の異常を疑う。


「はぁ、ほんとにどうしたもんかな?」


一人呟いてみるが良いアイデアは浮かんでこない。

原作でゴールキーパの彼が言っていたように偶然拾ったように見せかけて渡すか?

しかし、そうなると必然的に家で渡す事になるが・・・

家で発動した場合、家どころか家族も無事で済むかどうか・・・

色々と考えてみるがやはり良い案は浮かばない。


「自分で封印できれば最高なんだけど…」


呟いたところで自らの過ちに気づく、


「しまった!?」


思わず叫んでしまったがもう遅い。

手の中から閃光が溢れ出す、

そうだ、俺は願ってしまった

自分で封印が出来れば・・・・・・と

そして今、手の中にあるのは願いを叶えるロストロギア〈ジュエルシード〉

そうなれば結果は・・・・・・・・・

そこまで考えたところで俺の意識は急速に失われていった。
 
 

 
後書き
明日から久々大きな休みですので
連続更新です。

感想、誤字脱字などあればお願いします。 
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