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超地球救済戦記!断罪王Ω〈オメガ〉~戦争もやめねぇ!環境破壊もやめねぇ!バカで愚かな人類は身長170センチ以下の無職童貞ニートの俺が全員滅亡させる‼~

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第二百四十六話 山下テツヤ その10

第二百四十六話 山下テツヤ その10

カエデの狂撃波動により、狂人と化したテツヤは西村アサリの制止を振り切って、自分の頭部を何度も地面にぶつけ、瀕死状態になる。
狂撃波動とはコレ↓である。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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西村アサリはカエデと似た方法で自分の力を瀕死状態のテツヤの体内に注入する。
肉体から魂が離れていない状態のテツヤはアサリの行動によって一命をとりとめるも、
アサリ自身の肉体はテツヤに狂撃波動の力を渡してしまったことで消滅してしまっていた。
不完全な狂撃波動の使い手となったテツヤは自身の中にアサリが分離可能な狂撃波動として不完全な状態で存在していることを知る。
予想外の事態に驚嘆したカエデはそのまま、自分の目の前から去っていくテツヤを追いかけることもなく、ただ、見つめ続けていたのだった。
           *
山下テツヤは長い長い回想を終えた。
これで、もう何度、あの輝かしい青春の日々を回想したことか。
回想した数を数えてみたが、100を超えたあたりで、めんどくさくなって回想するのをやめてしまった。
山下テツヤは、あの輝かしい青春の日々を回想する度に、自分の中の時計の針がずっと『あの日』のまま、止まっていることに気付いて、むなしくなる。
そう、それはテツヤ自身が『あの日』、先輩と引き換えに狂撃波動の使い手になってしまった日から、人間として、一歩も成長できていないことを証明していた。
『あの日』の後、人知を超えた狂撃波動の力を手に入れたテツヤは世界中を一人で旅していた。
しかし、その旅でテツヤが手に入れたのは、一時のやすらぎと、大切な人達を失った過去との対峙だった。
過去を振り返ることをやめたテツヤの目の前に、一人の美少女、テツヤの先輩・西村アサリと同じ姿をした狂撃波動が現れる。
「なんだ、今回はずいぶん、帰ってくるのが遅かったな...」
アサリの姿をした狂撃波動がテツヤに、テツヤから預かった財布を手渡す。
『映画を見た...そのあと、コンビニでおでんを買って公園で食った...』
「おでん、か...」
見た目こそ、西村アサリと同じではあるが、この西村アサリの姿をした狂撃波動にアサリの記憶は存在しない。
このアサリの姿をした狂撃波動は自我を持っており、ある程度、気晴らしをさせないと、飼い主であるテツヤの言うことを聞かないのだ。
テツヤは自分の『全て』である西村アサリの魂を取り戻すために、再びカエデの前に現れたのだ。
狂撃波動は人知を超えた、狂気の力。
常識を超えた力であれば、できないことはないはずだ。
しかし、テツヤの力だけでは限界があった。
だから。
カエデの持つ力の全てを手に入れることができれば、アサリの魂を取り戻すことができるかもしれないと思った。
確信はない、しかし、もう、テツヤにはそれに賭けるしかなかったのだ。
テツヤは目の前にいるアサリの姿をした狂撃波動がアサリ本人であることを知りながらも、つい呟いてしまう。
「おかえり」
アサリの姿をした狂撃波動はテツヤに何も言わずに、テツヤの体内に戻っていく。
テツヤは自分がとっくに壊れていることを自覚する。
それでも山下テツヤは歩みを止めない、アサリの姿をした狂撃波動と一つになったテツヤはそのまま、協会の屋上から立ち去った。

次回予告 戦慄!断罪者(社会不適合者)だらけの宗教団体‼その1
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 
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