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レーヴァティン

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第二百七十八話 神との戦いその十

「そうする」
「そうか、じゃあか」
「神界でな」
 そこでというのだ。
「暫く暮らす」
「じゃあこの世界への介入もか」
「暫くはしない」
 そうするというのだ。
「そのことも約束する、いや」
「したくてもか」
「出来ない」
「そうなんだな」
「そうだ、ではだ」
「これでか」
「余は去る」
 その神の世界にというのだ。
「機会があればまた会おう」
「出来ればそんな機会ないで欲しいな」
「そうか」
「ああ、正直危なかったからな」  
 そうした戦いだったからだとだ、久志はクトゥルフに告げた。
「出来ればな」
「もうか」
「二度と会いたくないさ」
「そうか、では機会がないことを祈ることだ」
「そうするな」
「それではな」
 最後にこう言ってだった。 
 クトゥルフは身体中から激しい青い水のそれを思わせる光をそれこそ数えきれないだけのサファイアを散らした様なまでに放ってだった。
 姿を消した、そうしてだった。
 神の姿が消えるとだ、英雄は言った。
「もうな」
「ああ、ここにいてもな」
 久志が応えた。
「意味がないしな」
「だからだ」
 それ故にというのだ。
「去るぞ」
「そうするか」
「そしてだ」
「外に出るか」
「神殿のな」
「そうしような」 
 久志も他の仲間達も頷いてだった。 
 そのうえで部屋から出て待っていた将兵達に神を倒したことを話した、すると彼等は戦が勝利に終わり世界が救われたことに歓喜したが。
 久志はその彼等にだ、笑って話した。
「気持ちはわかるけれどな」
「それでもですか」
「それでもなのですか」
「ああ、神殿を出てな」 
 そうしてというのだ。
「そうしてな」
「そのうえで、ですね」
「喜ぶのですね」
「そうすればいいですね」
「ああ、そうしような」 
 こう言ってだった。
 仲間達と共に彼等を連れてそこも後にしてだった。
 一階一階その場を受け持っていた将兵達にも事情を話して合流していった、もう深き者共は全て倒されていなかった。
 そして神殿を出るとだ。
 もう戦は終わっていた、そしてだった。
 ガンダルフがだ、こう言ってきた。
「もうじゃ」
「ここでの戦もか」
「終わったぞ」
 英雄に笑顔で話した。
「敵を皆倒してな」
「そうか」
「そして皆戻って来たということはな」
「勝った」
 英雄は一言で答えた。 
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