レーヴァティン
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第二百七十七話 神殿に入りその五
「連中に捕まってな」
「海に引き摺り込まれる」
「ずっと懸念してたことやが」
「いよいよそうされることをね」
「警戒してな」
そうしてというのだ。
「戦わんとな」
「そうだね」
「一体に十人でや」
それだけの数でというのだ。
「囲んで倒す」
「それ位でないとね」
「やられるのはな」
まさにというのだ。
「こっちや」
「そうだね」
「掃討戦で変に犠牲出すなんてや」
そうした事態はというのだ。
「馬鹿馬鹿しいわ」
「そこまでいったら戦局が決まっているし」
「だからな」
そうした状況になっているからだというのだ。
「ここはな」
「囲んでね」
「そうして各個撃破にや」
それにというのだ。
「徹してな」
「確実に倒していってね」
「引き込まれてな」
海にというのだ。
「敵の有利なところで戦うことになるるとかや」
「そうなることはね」
「避けてく」
是非というのだ。
「ここはな」
「そうすることだね」
是非にとだ、淳二も応えた。
「掃討戦で損害なんてだよ」
「出したらあかんな」
「絶対にね」
「どうしても損害は出るけどな」
戦ではというのだ、損害の出ない戦なぞない。どれだけ圧勝でも誰かが傷付き死んでしまうものであるのだ。
「けれどな」
「最低限でないとね」
「そやからな」
「掃討戦でもね」
「油断せんでな」
そうしてというのだ。
「戦う様にしていこうな」
「そう采配を執っていこうね」
「ああ、それがし達もな」
敵が減ってきて掃討戦を考慮しだしたところで話した、そしてだった。
守りに徹したまま深き者共をさらに減らしてだった。
その数が五万を切った辺りになってだ、久志は英雄に言った。
「じゃあな」
「頃合いだな」
「陣を出てな」
「掃討戦だ」
それに移るとだ、英雄は答えた。
「いい頃合いだ」
「そうだよな、それじゃあな」
「戦うぞ」
「ああ、そしてな」
「機が来ればだ」
久志に神殿を見つつ話した。
「いいな」
「神殿に攻め入るな」
「そうする、そこにも敵がいる筈だ」
「深き者共がな」
「あちらは敵の本丸だ」
まさにそうした場所だというのだ。
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