レーヴァティン
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第二百七十七話 神殿に入りその六
「それならだ」
「絶対にいるな」
「それも精強な連中がだ」
「だったらな」
「俺達にだ」
それにというのだ。
「得意強い者達がだ」
「入るな」
「ミスリルやオリハルコンの武具を与えたな」
「選りすぐりの連中でな」
「攻め入ってだ」
そうしてというのだ。
「戦う」
「そうするな」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「入る、神殿の中はどうなっているかわからないが」
「入ってな」
「クトゥルフの前まで行ってだ」
そうしてというのだ。
「勝つ」
「そうするな」
「絶対に罠がかなりあるわね」
鋭い目になってだ、双葉は言った。
「神殿の中は」
「そうでない筈がなかとよ」
香織も応えて言った。
「あの神殿は」
「敵の本丸よ」
「何もない筈がないわ」
「だからね」
このことがよくわかるからだというのだ。
「ここはね」
「慎重にたいな」
「進むべきよ」
神殿の中に入ればというのだ。
「術で罠を確かめながらね」
「そうしつつたい」
「進んでいきましょう」
「神殿の中は」
「入ったらね」
その時はというのだ。
「そうしていきましょう」
「そうするたい」
香織は確かな声で応えた、そうしてだった。
連合軍は遂に掃討戦に移った、数を大いに減らした深き者共を各個に囲んでそのうえで一体一体確実にだった。
倒していった、そして敵の数が最早軍と呼べるものではなくなると。
久志は強い声でだ、英雄に話した。
「もうな」
「そうだ、ここはだ」
英雄も強い声で応えた。
「この場は将帥達に任せてな」
「俺達は精兵を率いてだ」
選りすぐりの彼等をというのだ。
「そうしてだ」
「神殿に入ろうな」
「今からな」
「さて、中はどうなっているか」
不敵に笑ってだ、久志は言った。
「わからないが」
「行くぞ」
「虎穴に入らずんばな」
「虎児を得ずだ」
「そうだよな」
「神を倒すならだ」
そうせんとするならというのだ。
「神の前にだ」
「行かないとな」
「そうだ、だからな」
英雄はさらに言った。
「いいな」
「ああ、今からな」
「行くぞ」
ここでも強い声で言った。
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