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DQ3 そして現実へ…~もう一人の転生者(別視点)

作者:あちゃ
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まさかの弟

突然ですが、私には兄姉が多数居ります。
ティミーお兄様とポピーお姉様だけではなく…2人とは違い、腹違いのお姉様が多数居ります。
つまり、お父様には愛人が多数居るんですよ、コレが!
私は別に構わないんですよ…
愛人が居ようが、余所で子供を拵えようが…知ったこっちゃありませんから!
そして、その中には言い訳のしようがないほど、父親にそっくりな子供も混じって居ります。
だから言い切れるのですが…
今、目の前に佇む少年は、間違いなくアルル様の弟です!




さてさて、此処までの経緯を簡単に説明しますと…
カンダタが盗賊情報を確認する為、手近な村への寄港を要請しました。
船長は快く了承。
そして、最果ての村と呼ばれるムオルへと訪れました。
村へ着くなり、心優しい村人(おせっかい)に連れられて、1軒の民家へと到着。
中から出てきたのは、小型版アルル様!
どうやら、どの世界でも勇者の父親という物は、こんなもんらしいです!

「まぁ!?アルル様にそっくりですわ!アルル様が幼い時は、こんな感じだったんでしょうね?」
取り敢えず話が進まないので、私が事態を進めようと感想を述べました。
「ポポタ…どうしたのです?お客様が来たのなら、ご挨拶………を………ポ、ポカパマズさん!!」
すると奥から女性が出てきて、小型版アルル様を『ポポタ』と呼び、此方に注目します。
そして叫ぶ!
「帰ってきてくれたんですね、ポカパマズさん!逢いたかったわ!」
本家アルル様に抱き付き泣き出す始末。
「え!えぇ!?えぇぇ!!?」
アルル様大混乱…
女性号泣…
その他困惑…
私ニヤニヤ。

「ポカパマズ~!立ち話も何だし、家に入れさせて貰おうよ!…おい、村人!案内ご苦労さま。お前はもういいから帰れ!」
だが混乱を恐れたお父様が、案内した村人を追い返しズカズカと室内へ上がり込む。
さてさて、この後どうなる事やら…
愛しのポカパマズさんは女だし、今夜は百合の世界ですかねぇ…?

「さて…僕はリュカ。お嬢さんのお名前はタリーナさんでいいですか?」
お嬢さんって…まぁ、結婚してるワケではなさそうだし、良いのかな?
「は、はい………ねぇ、ポカパマズさん…こちらの方々は?」
「あ、あの…私は「その前に聞きたいのですが…」
混乱から抜けきってないアルル様を黙らせ、お父様が話を進めて行く。
つまらんから、アルル様に喋らせろよ!
根が真面目だから、きっと発狂するぜ!

「こちらのポポタ君は、貴女とポカパマズの息子さんですか?」
聞くまでもねぇーだろ!
「…はい…ポカパマズさんが村を出て行った後で、妊娠に気付いたんです!だからポカパマズさんが驚くのもムリ無いですよね!うふふ…私ったら…ポカパマズさんに説明するの忘れてたわ……この子はポポタ…貴方と私の息子です」
女のアルル様に『アナタと私の息子ですぅ』って紹介してらぁ!
結構シュールだね。

「わ、私…ポカパマズじゃありません!」
「…え!?…何を言ってるの?だって…」
「お嬢さん…コイツはポカパマズじゃない!似ているのかも知れないが、ポカパマズではない!」
そう言いながらタリーナさんの手を掴みアルル様の胸を揉ませる!
やはり百合か!?今から百合か!?
「ちょ、リュカさ「ほら、この通り…小さいけど胸もある!」
「そ、そんな……」
「ち、小さいは余計です!」
真実なのだから仕方ない。
「ごめん…そんなに怒るなよぉ…服の上からじゃ判りづらいって言いたいだけだって!」
「あ、あの…ごめんなさい…私ったら…あの人が帰ってきたと思っちゃって…」
あ~あ…泣いちゃった。
女でも良いです!とか言って、百合かと思ったのに。

「タリーナさん、泣かないで。折角の美人が台無しだよ。貴女は笑顔の方がよく似合う!」
うん。家族の前で、他人の女を口説くのはどうかと思う…
いや、私は良いんですよ!慣れてますから…
でもポポタ君の前では…ねぇ…
「アンタは何考えてるんだ!?この状況で、人妻をナンパするなんて…場を弁えて下さいよ!」
「失礼な息子だな!ナンパなんてしてないよ!美人は笑顔が似合うんだ!だから笑顔になってほしいだけなの!」

「あ、あの…ケンカをなさらないで………そ、そうだわ!皆さんのお名前を教えて下さい!」
どうやら泣き止んではくれました。
お父様はコレを見越して場を弁えずに口説いたのでしょうか?
いやいや、偶然でしょう!
本能の赴くままに生きてるだけですね。

さて、落ち着いた所で自己紹介です。
お父様から順に、1人ずつ自己紹介をして行きます。



「………最後に私…名前はアルルよ。残念ながら貴女の夫ではありません!」
「そうですか………本当にごめんなさい…よく見ればポカパマズさんとは違いますね。…でも、何て言うか…雰囲気が似てるというか…貴女はポカパマズさんの知り合いでしょうか?」
親子ですよー!
知り合いどころの話じゃ無いですよー!
「…知り合いかと問われても…ポカパマズが誰だか判らないので…何とも言えませんが…詳しく教えて頂けますか?」
「そ、そうですね…か「ちょっとその前に!」
昼メロさながらの、ドロドロとしたアレを拝めると思ったのに、お父様がタリーナさんの言葉を遮った。
これからが面白いのに、横やりを入れるんじゃないわよ!
空気読みなさいよね…

「あの…何か?」
「うん。どうやら、さっきの村人Aが村中に言い触らした様だ!ポポタ君に『人違いでした』って、皆さんに伝えてきてもらってもよろしいかな?」
窓の外を見ると、野次馬根性の村人共がワラワラと集まっている。
お得意のバギで吹き飛ばしちゃえば良いのに…
「分かりました………ポポタ、皆さんに間違いだったと伝えてきてちょうだい」
「は~い、ママ!」
うむ…素直な良い子だ。
あと2.3年したら美味しそうになるだろう…
目を付けておこう!

「あ、ポポタ君。みんなに説明が終わったら、これで何か食べてきなさい」
にゃんと!?
お父様がお小遣いをあげました!?
私もらった事ないのよ!
何時も『お金は全部ビアンカが管理してるから』って言って、もらった事無いのに!
何か…ズルイ!



 
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