レーヴァティン
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第二百六十八話 神託が教えたことその九
「だからぜよ」
「レベルにある位ではない」
「そうぜよ」
まさにとだ、当季は言い切った。
「だからのう」
「俺達も神託から力を授かったな」
「そうぜよ」
こう英雄に述べた。
「クトゥルフを倒す力をのう」
「そうだな、だが」
英湯はここでこうも言った。
「クトゥルフは試練の存在と言っていたな」
「はい、神託は」
良太が答えた。
「確かに言っていました」
「あの神話の神々は無意識から来る悪意を持っている」
「本能的な邪悪そのものです」
「そうした存在でだ」
「知性よりもです」
ナイアーラトホテップにはあるがだ。
「むしろです」
「生物の本能だな」
「それから来る悪意の様な」
「えも言われぬ存在だな」
「はい」
まさにとだ、良太は述べた。
「あの神話の神々は」
「その通りだな、だが」
「試練とは」
「どういうことかな」
「そこはまだわかりませんね」
「そのことはな、しかし」
英雄は考える声で述べた。
「このことはな」
「置いておきますか」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「まずはだ」
「クトゥルフを倒しますね」
「それを果たせばな」
その時はというのだ。
「おのずとわかる筈だ」
「試練とは何か」
「そのこともな」
「それでは」
「しかしだ」
ここで英雄は考えてこうも言った。
「クトゥルフが魔神なのはわかったが」
「それが何か」
「あいつだけか」
「だけとは」
「敵がだ、あの神々には一柱動き回る神がいるな」
「ナイアーラトホテップですか」
「そうだ、あいつがいてだ」
それでというのだ。
「何かしてくるな」
「そういえばそうっちゃ」
愛実も言ってきた。
「あの神話ではっちゃ」
「ナイアーラトホテップがやけに動くな」
「そうしているっちゃ」
「言うならトリックスターだ」
ナイアーラトホテップはというのだ。
「あの神はな」
「それでっちゃな」
「あいつは動かないか」
「それが気になるっちゃ」
「あいつが動くとだ」
その神ナイアーラトホテップがというのだ、ラグクラフトの神話の中ではクトゥルフと並ぶ有名な神である。
「敵の神が二柱になりな」
「尚更厄介なことになるっちゃな」
「だからだ」
こう考えているからだというのだ。
「俺としてはな」
「あの神が気になるっちゃ」
「クトゥルフの神々は原始的で本能的だ」
その多くはというのだ。
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