| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

レーヴァティン

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二百六十六話 東に来てその五

「確かに強くいきなり出て来てだ」
「厄介な連中でもな」
「それでもだ」
「倒せるからな」
「遥かに楽だ、巨人はこの世界に元からいる者では太刀打ちしにくいが」
「レベルが違うからな」
「だが俺達ならな」
 英雄は強い声で話した。
「倒せる」
「それも楽にな」
「だから出て来ればだ」
 その時はというのだ。
「必ずだ」
「倒すことだな」
「さもないと出て来た場所が荒らされだ」
 そうなってというのだ。
「民にも犠牲が出る」
「そうなるからな」
「だからだ」
「絶対にな」
「出て来たなら倒す」
「俺達がな」
「そうすることだ、ではな」 
 ここまで話してだ、英雄は述べた。
「これからな」
「大坂でだな」
「もてなす」
「楽しみにしているな」
「その期待に応える」
 こう言ってだった。
 英雄は久志と彼の仲間達を堺から大坂に迎え入れた、そうして催し等をしてその夜の宴の場でだった。
 すき焼きそれに寿司を出した、その二つの料理を見てだった。
 久志は満面の笑顔になり英雄に話した。
「そうそう、この二つがな」
「食いたかったな」
「そうだったんだよ」
 こう言うのだった。
「本当にな」
「この浮島に来たらか」
「あっちでもな」
 西の浮島でもというのだ。
「ずっとな」
「食いたかったか」
「そうだったんだよ」
「あちらにはないからだな」
「ああ、鍋はあってもな」
 それでもというのだ。
「すき焼きはなくてな」
「飯に魚があってもだな」
「寿司はないんだよ」
「食材はあるが」
「そうだよ、作る人がな」
「いないな」
「作り方を知っている人もな」
 料理人の中にというのだ。
「それでだよ」
「あちらではだな」
「ずっと食えなかったんだよ」
 すき焼きや寿司はというのだ。
「すき焼きなんか糸蒟蒻もな」
「あちらにはないな」
「ああ、豆腐もな」
 この贖罪もというのだ。
「麩だってな」
「そうしたものもないとな」
「すき焼きじゃないだろ」
「すき焼きや肉だけではない」
 英雄は言い切った。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧