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レーヴァティン

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第二百六十四話 神託に頼るその十

「デルフォイに行くな」
「そうするな」
「ああ」
 まさにというのだ。
「そうするな、それじゃあお互いにな」
「魔神のことを知ってな」
「知ったこと、情報もな」
「共有だ」
「俺達は今は国家連合だしな」
「そうだ、神託を伺ってもな」
 英雄はさらに言った。
「それで魔神のことを知れてもな」
「お互い違うこと言われることもな」
「ある、口が違うならだ」
 同じことを伺ってもというのだ。
「神と言えどだ」
「語ることが違って来るな」
「口調も内容もな」
「同じとは限らないな」
「同じ宗教でもな」
 即ち信じる神が同じでもというのだ。
「教義が違う」
「それは常だよな」
「それと同じでだ」
「神託を伺ってもな」
「伺う先が違うならだ」
 それならというのだ。
「神が違うからな」
「それで口もな」
「同じことを聞いてもな」
「語られることは違うな」
「ある神は魔神の名や力の程度を言う」
「別の神は魔神の軍勢や司るものを言うな」
「その神が魔神の何処を見ているか」
 それによってというのだ、英雄は神の違いそして語る国の違いというものについて考えつつ久志に話した。
「それによってだ」
「語られることが違うよな」
「同じ宗教で同じ神が語ることでもな」
「違ったりするしな」
「もっと言えばだ」
 英雄はさらに言った。
「聞く者の解釈もだ」
「それぞれになるな」
「聖書を読んでもな」
「それぞれの解釈があるな」
「だからあの宗教にも宗派がある」
「そうだよな」
「カトリックの考え方もあるが」
 それと共にというのだ。
「正教の考えもだ」
「あるよな」
「そしてだ」
 それにというのだ。
「プロテスタントの諸宗派の考えもな」
「あるからな」
「まさにだ」
「聞く者それぞれの解釈があるな」
「それは読んでも同じだ」
 聖書をというのだ。 
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