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レーヴァティン

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第二百六十二話 神託の時その四

「何度もだ」
「してたんだな」
「そうしているとな」
「相手の娘がもたなかったか」
「随分過去遊んで奴だったらしいが」
 それでもというのだ。
「俺みたいな男ははじめてだったらしい」
「伊達に一度に何人も相手にしていないか」
「それが毎晩でも大丈夫だからな」
「底なしの絶倫って奴か」
「馬かと言われた」 
 付き合っていた彼女にというのだ。
「流石に馬とは付き合えないと言われてな」
「別れたんだな」
「向こうから言ってきた」
「その話だとそうだな、しかしな」
「それでもか」
「お前その顔で起きた世界でもか」
「俺は表情と口調は変わらない」
 その二つはとだ、英雄は答えた。汗は滝の様になっていて全身水を浴びた様になってきている。久志もそれは同じだ。
「いつもな」
「そうした時もだよな」
「そうだ」
「そうしたことってあれだろ」
「顔が変わるな」
「男も女もな」
 性別に関係なくというのだ。
「ヒトラーやスターリンでもな」
「どちらも想像しにくいな」
「スターリンは結構派手だったらしいけどな」
「それでも想像しにくいな」
「そうだよな、特にヒトラーはな」
 彼はというのだ。
「そうだな」
「あれだけ女の話がない人間もそういないな」
「同性愛者でもないしな」
 むしろ同性愛者を激しく弾圧していた。
「それでだからな」
「ヒトラーと女か」
 英雄は呟く様に言った。
「俺もだ」
「想像出来ないよな」
「また言うがあれだけ女の話がない人間もだ」
「そういないよな」
「姪にかなり執心した様だが」
 それでもというのだ。
「最後の最後までな」
「女の人とは無縁だったな」
「もてたと言えるがな」
 女性に不人気だったかというとそうではなくだ。
「歴史上とりわけな」
「圧倒的な支持の中には女の人も入っていたからな」
「それでだな」
「もてたって言うとな」
 ヒトラーをその範疇に入れると、とだ。久志も話した。 
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