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レーヴァティン

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第二百六十一話 夜に語り合いその七

「そうしていくことですね」
「そうですね」
「そうなってはおしまいなので」
「全く以て」
「まあ屑になるとな」
 久志も難しい顔で語った。
「それで人の底を割るとな」
「そこから出ることは無理だ」
 英雄も言った。
「どんな教えを以てもな」
「どんな人でもな
「救えない」
「今話に出てる人だってそうだな」
「教えを聞いてもな」
「その教えが耳に入らないでな」
「どうでもいいことをあげつらって文句を言ってだ」
 そうなってというのだ。
「努力しようとしない」
「それじゃあな」
「文句なぞ誰でも言える」 
 英雄は忌々し気に言い切った。
「不平不満はな」
「適当にあげつらってな」
「それを偉そうに言えばだ」
 それでというのだ。
「出来るからな」
「文句はそんなものだな」
「不平不満もな、言おうと思えばな」
「どうでも何でも言えるな」
「好きなだけな、だが言っている間にだ」
 まさにその間にというのだ。
「他の者は努力してだ」
「自分を磨くな」
「そしてよくなっていく」
「文句ばかり言う奴を置いてな」
「そして文句ばかり言うとな」
 そうしたことに専念していると、というのだ。
「相手ばかり見て自分は見ていないしな」
「言うだけに専念していてな」
「何にもならない、説教が好きな奴に大した奴はいない」
 英雄はこうも言った。
「他人ばかり見て偉そうに言うだけでだ」
「自分は見ていないからな」
「自分を磨かずして他人に偉そうに言ってもだ」
「何にもならないな」
「だからだ」 
 それ故にというのだ。
「説教が好きな奴にもだ」
「大した奴はいないな」
「しかもあれこれ偉そうに言う奴はそれだけでだ」
「嫌われるな」
「そこに内面への努力がないならな」
「余計に嫌われるな」
「自分はどうなんだと見られてな」
 他人それも自分が説教をしている相手にだ。 
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