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レーヴァティン

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第二百六十一話 夜に語り合いその六

「やはり」
「相当おかしな母親で」
「その母親に徹底的に甘やかされ」
「そして自分自身も何も努力せず」
「勝手に勘違いして」
「その様に考えたのでしょうか」 
 源三は深く考えつつ言った。
「自分がこの世で一番偉いと」
「何も持っていない、何もしたことがない」
「そんなことでも」
「そう思ってですね」
「どうしようもない風になった」
「餓鬼になったのでしょうか」
「餓鬼は何の修行もしなくてなるものでしょうか」
 源三はここでこう考えた。
「生きていて」
「修行せず堕ちていき」
「何の努力もせずです」
「悪くなる一方で」
「そしてです」
 そのうえでというのだ。
「何もなくです」
「そしてですね」
「結果として」 
「堕ちるところまで堕ち」
「人の底まで割り」
 そうしてというのだ。
「堕ちるところまで堕ちきった」
「それが餓鬼ですね」
「人の底にあれば」
 まだその段階ならとだ、源三は良太に話した。
「まだ救われますが」
「餓鬼になるとですね」
「最早です」
「救われないですね」
「そのまま餓鬼道に生きて」
「死んで本当になり」
「長く苦しむ」
 本物の餓鬼になりだ。
「そうなるのでしょうか」
「そう考えると朱御すべきですね」
「努力しないと駄目ですね」
「人として」
「それを続けるべきですね」
「全く以て」
「餓鬼になりたくなければ」
 そう思うならというのだ。
「そうあるべきですね」
「まともに生きている人がどうして餓鬼になりたいか」
 良太は言った。
「一体」
「そんな筈がないですね」
「そう思うなら」
「餓鬼になった人を見ることですね」
「そうですね、そしてです」
「ああはなるまい」
 源三も言った。
「そう思い」
「反面教師にして」
「そしてですね」
「努力すべきですね」
「間違ってもそうはならない様に」
 餓鬼、それにというのだ。 
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