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レーヴァティン

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第二百六十一話 夜に語り合いその一

                第二百六十一話  夜に語り合い
 耕平は餓鬼について河豚鍋の中にあった河豚の実、皮と一緒にあるそれをぽん酢で食べてこう言った。
「あれやな、今日行ってええかやなくて今日行くって二時か三時に電話で言ってきてや」
「随分具体的な話だね」
「知ってる人でこういうのおってな」
 自分と同じ鍋を突く淳二に話した。
「言えるんや」
「そうなんだ」
「それでお邪魔しますとも言わずふんぞり返った笑顔で家に入ってきてな」
 そうしてというのだ。
「河豚鍋をやってても遠慮せず飯四杯食ってのうえで食って風呂も入ってあったかい布団出させて寝てな」
「図々しいね」
「それでな」
 そのうえでというのだ。
「人の部屋に勝手に入って本漁って朝もおかず作らせて大飯食って帰る。しかも働かんで」
「最後のワード重要だね」
「そや、ニートで奥さんに食わせてもらってたけど」
「逃げられたね、奥さんに」
「働かんで何でか自分はこの世で一番偉いと思って」
 そう勘違いしてというのだ。
「ふんぞり返って偉そうに言う」
「何で偉いのかな」
 進太はそこが疑問だった。
「一体」
「言っとくけどそのおっさん何も出来ん」
「働いてなくてだね」
「これといった資格も特技もない」
「無能なんだ」
「全くのな、それで偉そうに言うさかいな」 
 その為にというのだ。
「奥さんに逃げられた」
「当然の結果だね」
「そうしたら爪切りまで持って行ったって周りに言ったんだ」
「へえ、爪切りまでなんだ」
「そや」
「奥さんに爪切りまでお世話になってたんだね」
 進太はここまで聞いてこう解釈した。
「そうだったんだね」
「そや、けどや」
「恩に思わなかったんだ」
「全くな、それで爪切りまでお世話になる甲斐性なしで」
 恩知らずに加えてというのだ。 
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