レーヴァティン
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第二百六十話 条約を結びその十八
「しないっちゃ」
「そうなのね」
「そうっちゃ、勝手にっちゃ」
餓鬼達はというのだ。
「餓えて渇いてっちゃ」
「苦しんでいればいいの」
「そこまで浅ましい奴も見てきたっちゃ」
だからだというのだ。
「起きた世界でもこの世界でもっちゃ」
「両方でなのね」
「生きながら餓鬼になった奴を見たっちゃ」
「そうした連中が死んで本物の餓鬼になった」
「そうなったと思うからっちゃ」
それ故にというのだ。
「だからっちゃ」
「布施餓鬼はしないのね」
「絶対にっちゃ」
「そうなのね」
「地獄の亡者には祈ってっちゃ」
その責め苦が少しでも楽になる様にだ。
「お地蔵様に助けてもらう様に」
「お願いするのね」
「そうするっちゃ」
そちらはというのだ。
「そうするっちゃ」
「そうなのね」
「けれどっちゃ」
愛実は留奈にさらに話した。
「餓鬼にはっちゃ」
「そうしないのね」
「それが出来る程うちは人間が出来ていないっちゃ」
「あまりにも浅ましい奴に何かすることは」
「どんな奴が餓鬼になるかと思うと」
そうすると、というのだ。
「とてもっちゃ」
「布施餓鬼は出来ないのね」
「そうっちゃ、では今はっちゃ」
「こうしてよね」
「河豚を食べていくっちゃ」
こう言ってだった。
愛実も鍋を食べた、条約を結んだ後の河豚を楽しむ宴は続いていった。
第二百六十話 完
2022・6・1
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