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レーヴァティン

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第二百五十九話 ヴェネツィアに向かう中でその十二

「だからこそですね」
「悪魔は悪である」
「絶対の正義である神に逆らっているので」
「ただそれだけであり」
「悪意がなくともです」 
 悪魔と呼ばれる者達にというのだ。
「悪とされる」
「正義に逆らうので」
「ですからよく見ますと」
「邪悪な存在かどうか迷います」
「そうですね、ですが」
 良太は顔を曇らせて話した。
「海の魔神はです」
「悪意を感じますね」
「グリモワールの魔神や失楽園の堕天使達にはない」
「何かしらの」
「絶対神を歪ませた様な」
「そうしたものを感じますね」
「絶対神となると」
 良太は話した。
「何といってもです」
「まず己が完璧でないといけないですね」
「その宗教の教義から見て」
「左様ですね」
「コーランを見ますと」
 その観点からというのだ。
「アッラーは完璧です」
「教義から見ても」
「まさにアッラーが正しい」
「それはアッラーを見てもわかることです」
 コーランの教義から見てというのだ。
「だからこそ絶対であり」
「かつ無体はしません」
「イスラムの神はこの世の全てを司りです」
「人も動かしています」
「だからこそ悪意もありません」
「それもコーランの特徴ですね」
「そうですね」
 まさにというのだ。
「それは」
「左様ですね」
「アッラーみたいな神様じゃないね」
 桜子も言った。
「それは間違いないよ」
「そうね」
 双葉は桜子のその言葉に頷いた。
「あの神様の性格ではね」
「こうしたことはしないよ」
「絶対にね」
「アッラーは人を見守って」
「試練を与えるにしても」
「それは乗り越えられる試練で」
 コーランにあるそれはというのだ、桜子もコーランそしてイスラム教のついての知識はあるので答えられた。
「それでね」
「乗り越えるものね」
「その人がね」
「そうしたものであって」
「こんなね、意地の悪いことはね」
「しないから」
「神罰はどの宗教や神話にもあるけれど」
 双葉は桜子に話した。 
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