| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

レーヴァティン

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二百五十六話 宴を楽しみつつその十一

「古典やモーツァルトの話をしてもな」
「日本の古代史とかな」
「何が何かわからない」
「けれどそうした教養を備えるとな」
「小林秀雄はわかる」
 彼の文章そして主張や思想はというのだ。
「そうなる、また福田恒存もな」
「シェークスピアの翻訳だったな」
「この人物の文章もだ」
 これもというのだ。
「同じだ」
「教養を備えるとな」
「わかる、読み手を選ぶ文章はある」
 それはというのだ。
「知識や教養が求められるものはな」
「経済とかの本でもだよな」
「勉強しつつ読むことも必要だ」
 時としてはというのだ。
「それもな。しかしな」
「それでもだよな」
「ただ難しい何を言っているかわからない」
「そんな文章はな」
「一目見てだ」
 そうしてとだ、ワインを飲んでからまた話した。
「本を閉じてその著者の名前を確認する」
「そうして読まない、だな」
「その著者の本はな」
「そうすべきだな」
「無駄に漢字や横文字を使うとな」
 その様にしてというのだ。
「そこに一度に羅列して書くとだ」
「もっともらしい難しい文章の完成か」
「そしてそれを読ませるとな」
「一見わからない文章だからな」
「何かと思いだ」 
 そうなりというのだ。
「読解しようとしてだ」
「それが出来てな」
「錯覚する」
「読んで理解出来た俺凄いでな」
「書いた思想家も凄いとな」
「それでその思想家は教祖になるな」
「しかし実は何もない」
 その文章にも書いた思想家にとだ、英雄はくどいまでに語った。そのうえでピザを食べてまた言うのだった。
「俺が今食ったピザの様に様々なものはない」
「生地にチーズにトマトにベーコンにな」
「そんなものはなくな」
 そうしてというのだ。
「中身は何もない」
「そうだよな」
「自分も思想家も凄くはない」
 その実はというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧