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夢幻水滸伝

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第二百四十九話 義侠心を胸にその九

「まことにです」
「そうしたことはですね」
「紅美様としては」
「興味がおありでなく」
「興じられることはないですね」
「ですからそうしたことにお金は使いません」 
 全くというのだ。
「また自分の趣味は私のお金の中でします、当然ではこれは」
「その当然のことです」
「当然のことを普通にされることが有り難いのです」
「別にそれぞれの街で私利私欲に走る暴君がいる訳ではないですが」
「それが善政につながるので」
「その考えや行動がですか」 
 紅美は自身の机から応えた、茶が傍にあるがその茶も高価なものではなく彼女が好きな普通に市場で売っている茶だ。
「善政にもなりますか」
「はい、奢侈に走らず」
「率直に政だけに税を使いです」
「それが税の軽さにつながっているので」
「ですから」
「そうなのですね、それはです」 
 どうかという顔になってだ、紅美はまた応えた。
「考えていませんでしたが」
「私利私欲に走ってです」
「私腹を肥やすならです」
「人はついて来ないです」
「例え星の方でも」
「そうですか、私は本当に贅沢は興味がありません」
 紅美はまたこう言った。
「興味があることはです」
「奢侈ではなくですね」
「侠ですね」
「そちらですね」
「起きた世界でも大事にしたいとです」 
 その様にというのだ。
「常に思っていてこちらの世界では職業がです」
「義賊だからですね」
「まさに義侠心を尊ぶ職業なので」
「だからこそですね」
「尚更ですね」
「大事にしたいです、また義賊は贅沢もしません」
 このことも言うのだった。
「左様ですね」
「中には好む者もいますが」
「義賊は元々そうですね」
「シーフに近い職業ですが」
「より重装備に向いていてです」
「そしてです」
「義侠心を第一にします」
「ですから悪人にも向かいます」 
 そうもするというのだ。
「人の為に」
「そうですね」
「まさに義侠心を尊びます」
「手に入れたお金を施すこともします」
「それも喜んで」
「では贅沢なぞ」
 それこそというのだ。
「興味がない」
「そうしたものですね」
「まさに」
「だからこそですね」
「紅美様としてもですね」
「そうしたことはしません」
 全くと言うのだった。
「私も。ですが」
「ですが?」
「ですがといいますと」
「それが評判になるとは思いませんでした」 
 つくづくという言葉だった。 
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