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夢幻水滸伝

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第二百四十九話 義侠心を胸にその十

「まことに」
「ですがそれがです」
「街や村が進んで菖様に降る様になっていますので」
「よいことです」
「このことはご承知下さい」
「わかりました、ではその街や村の為にも」 
 紅美は官吏達にあらためて述べた。
「私はこれからもです」
「励まれますね」
「政に」
「そうされますね」
「そうします」
 こう言ってだった。
 紅美は勢力圏が拡大するにつれて政も進めていき産業を育成し道や橋や堤を整え線路も敷いていった。
 そのうえで賊やモンスターも退治して民の不安を取り除いていった。流石に勢力圏が拡大すると全ての賊やモンスターに自分が出向く訳にはいかなかったが。
 強力な賊の一団やモンスターの群れが出たと聞くとだった。
「私が行きます」
「そうされますか」
「そしてですか」
「退治されますか」
「そうしてきます」
 こう言って自ら出陣して青雲剣と武芸それに体術を使ってだった。
 賊もモンスターも薙ぎ倒して退治した、湖北省の民はその彼女を見て話した。
「ああして自ら戦われて」
「そのうえでわし等を苦しめる賊やモンスターを退治してくれるからな」
「しかも善政を敷いて下さる」
「立派な方だ」
「流石は星の方だな」
「全くだな」
 こう言うのだった、そうしてだった。
 紅美の名声はさらに高まり湖北省全体で彼女を慕う声が広まり。
 街や村はさらに降り浮島にも及んだ、そうしてだった。
 紅美は湖北省の七割を制するまでになった、残るは江陵を中心とした省の南西部だけとなった。だがその残りがだった。
「一角の勢力となってですか」
「はい、そしてです」
 紅美に武漢の市長が話した。
「紅美様に従うつもりはないと言っています」
「そうですか」
「どうされますか」
 市長は紅美にその勢力への処遇を問うた。
「一体」
「一度使者を送りましょう」
 紅美は市長に考えてから答えた。
「それで、です」
「駄目ならですか」
「その時はです」
 市長に確かな声で述べた。
「戦います」
「そうされますか」
「賊やモンスター以外と戦うことは気が引けますが」
「それでもですね」
「省を統一すると決めたのなら」
 それならばというのだ。
「それもです」
「避けられないですね」
「はい、戦も」
 こう市長に話した。
「ですから」
「その為にですね」
「はい、使者を送り」
 そしてというのだ。
「降らねば即座にです」
「軍を出しますか」
「私が率います」
 司令官は自分だとした。 
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