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レーヴァティン

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第二百五十五話 ヴェネツィアでの再会その十二

「鯛を揚げるとなると」
「有名なお話なので」
「つい」 
 こう言うのだった。
「ですがそれでもです」
「美味しいことはですね」
「事実なので」
 だからだというのだ。
「それもまたです」
「楽しみですね」
「その機会が来ることを期待しています」
 こう話したのだった。
「是非」
「それでは」
「こちらの浮島でも鯛は食べるでござる」
 進太が言ってきた。
「アクアパッツァ等が美味でござる」
「鯛のアクアパッツァだと」
 幸正が反応した。
「それはまたな」
「美味しいとでござるな」
「思ったが」
「実際にでござる」
 進太は幸正に笑顔で話した。
「これがでござる」
「美味いか」
「そうでござる」 
 実際にというのだ。
「またお出しするので、でござる」
「出た時はだな」
「楽しんで欲しいでござる」
「それではな」
「ただこの浮島は地域で文化がかなり違うでござる」
「東の浮島とはまた違うな」
「面積や人口はほぼ同じにしてもでござる」
 それでもというのだ。
「この浮島ではでござる」
「地域によって文化が違いだな」
「それで、でござる」
 その為にというのだ。
「料理もでござる」
「地域によってかなり違うな」
「この辺りは魚介類をそうして食べるでござるが」
 アクアパッツァ等にしてというのだ。
「かつての連合王国の方ではでござる」
「そうして食べてはいないか」
「パイやゼリーでござるが」
 それでもというのだ。
「実にでござる」
「味はか」
「そうでござる」
 こう幸正に言うのだった。
「鰊のパイや鰻のゼリーは」
「まずいか」
「出すことを考えていないでござる」
 これが進太の返答だった。
「拙者達としては」
「そういうことだな」
「鱈もあるでござるが」
 この魚の話もした。
「干したものばかりか精々ムニエルかフライでござる」
「ムニエルやフライならいいな」
「味付けが貧弱でござる」
 旧連合王国の領土ではというのだ。 
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