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夢幻水滸伝

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第二百四十八話 石と共にその三

「あの、裏のクエストがありますが」
「裏のですか」
「この街の警察から密かに依頼が来ていまして」
「そうしたクエストですか」
「合肥の街で悪行の限りを尽くす黒社会の組織ですが」
「マフィアですか」
「そうです、ギャングとマフィアを合わせた様な」 
 そうしたというのだ。
「とんでもない連中がいますが」
「その連中を潰すクエストですか」
「そうです」
 まさにというのだ。
「来ていますが」
「そのクエストの解決をですね」
「星の方ならです」
「この能力ならですか」
「はい、確実に出来るので」
 その解決をというのだ。
「お願い出来ますか」
「わかりました、それでは」
「それでクエストを解決した際の報酬ですが」
 ここで若い女が出したそれはというと。
「これだけです」
「五十万ゴールドですか」
「はい、それだけです」
「多いですね」
「そうです、かなりの額ですね」
「この世界の物価はまだよくわかりませんが」
 それでもとだ、王は若い女に応えて述べた。
「かなりの額なのは何となくです」
「おわかりですね」
「暫く生活には困らない位ですね」
「かなりの間」
「そうなんですね、実は今一ゴールドもなくて」
 それでというのだ。
「それではです」
「はい、受けて下さいますね」
「そうした組織も放っておけませんし」
 こうもだ、王は答えた。
「ヤクザ屋さんは」
「もう本当にです」
「この街でやりたい放題ですか」
「そうしていますので」
 若い女は困った顔で述べた。
「すぐにでもです」
「はい、退治してきます」
「宜しくお願いします」 
 若い女は王の冒険者登録の手続きを行った、そうしてだった。
 王にそのならず者達のアジトがある場所の地図を渡した、それは合肥の繁華街の中にあった。コンクリートのビルであったが。
 そのビルに近付くと早速だった。
 柄の悪い男達が出て来て彼を睨んですごんできた。
「何だ手前」
「何しに来た」
「俺達に何か用か」 
 様々な種族の若い男達だが身なりも人相も悪い、その彼等がすごんできた。
「冷やかしなら容赦しねえぞ」
「一体何の用だ」
「早く言え」
「この組織を潰しに来たんで」 
 王は男達にあっさりとした口調で答えた。
「宜しく」
「何馬鹿なこと言ってやがる」
「俺達を潰すだと?」
「笑わせんじゃねえぞ」 
 男達は王の今の言葉にせせら笑って囲んできた、そうして袋叩きにしようと思ったが。
 王はその彼等を両手を振るって瞬時にだった。
 薙ぎ倒した、そうして神具の没羽箭をアジトであるビルに向かって投げると。
 ビルは瞬時に倒壊した、凄まじいヒビが入ったかと思うと直下型に崩れ去った。その状況を見てだった。
 繁華街にいた者は驚いて口々に声をあげた。 
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