八条学園騒動記
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第六百六十三話 最強のロボットを造るその六
「大暴れするぞ」
「ええ、じゃあ僕はその間は」
「傍にいてもらう」
「いつも通りですね」
「そうじゃ」
こう野上君に告げた。
「よいな」
「はい、それじゃあ」
「そしてな」
博士は野上君にさらに話した。
「連合軍の強さを見る」
「連合軍って訓練度は低いですからね」
「全く。軍隊は訓練あるのみじゃ」
博士は苦々し気に言った。
「月月火水木金金でね」
「それ帝国海軍ですよね」
「大日本帝国海軍じゃ」
「昔の僕の国の軍隊ですね」
「連合軍というか連合は平和過ぎてじゃ」
千年の平和の結果というのだ。
「まさにじゃ」
「腑抜けになったとか言うんですか」
「そうは言わんが」
それでもというのだ。
「しかしな」
「日本軍と比べるとですか」
「連合軍の強さは比較にならん」
「時代が違いますけれどね」
「二十世紀と今ではのう」
「ええ、技術も全く違います」
野上君はそこから話した。
「ですから比較出来ないんじゃ」
「いや、将兵個々の質がな」
それがというのだ。
「全く違う」
「そちらですか」
「体格がよく品行方正な者を選んでな」
徴兵検査で厳選していた、ただし海軍は志願制であった。どちらにしても日本軍の入隊基準は非常に厳格であった。
「そこから徹底的に鍛えたのじゃ」
「だから強かったんですね」
「しかも気迫があった」
それも備えていたというのだ。
「見敵必殺のな」
「それで博士にもですか」
「全力で向かってきたのじゃ」
「強かったですか」
「わしはこれまで多くの強力な軍隊と戦ってきた」
人類と共にあってだ。
「他の星でもそうであったがな」
「地球でもですね」
「人類が宇宙に出てもな」
それからもというのだ。
「全力でじゃ」
「戦ってきたんですね」
「スパルタ軍とも戦った」
文字通りの戦闘国家であったこの国と、というのだ。
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