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レーヴァティン

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第二百五十三話 蝦夷が収まりその九

「文字を持っているな」
「この世界の言葉を喋ってでござるな」
「ならそれでいい」
「言葉も文字も同じならばでござるな」
「そして銭も度量衡も同じならな」
「いいでござるな」
「どうもこの世界はそうしたものは同じだが」
 言葉や文字に貨幣そして測りはというのだ。
「余程先に統一した国が頑張った様だな」
「そうでござるな」
 智もそれはと頷いた。
「全てを一つにしたでござる」
「かつては世界全体が乱れていたという」 
 このことは書を読んで知った、この世界の歴史書には海の魔神によって世界が石に変えられ海に沈められる前の歴史も書かれているのだ。
「だがその世界をだ」
「ある御仁が統一したでござる」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「その全てを一つにした」
「そうでござるな」
「全ての国や勢力をまとめただけでなくな」
「まるで始皇帝の様に」
「そうした、それぞれの文化や宗教は弾圧しなかったが」
 それでもというのだ。
「言葉や文字はな」
「一つにしたでござる」
「そして銭もな」
 貨幣もというのだ。
「そうして度量衡もだ」
「一つにしたでござる」
「道の幅もな、他にも大運河を築いたりしてな」
「経済圏を造る様にもして」
「若し分かれてもだ」 
 そうした事態に陥ってもというのだ。
「容易にまた一つになれる」
「そうしたでござるな」
「ローマ帝国は二つの分かれそのままになった」 
 東西ローマ帝国のそれも話した。
「しかしな」
「それでもでござるな」
「この世界は違う」
「それぞれの地域で経済圏を築き」
「それがつながる様にした」
 世界全体をそうしたというのだ。
「ここまで考えているとはな」
「見事でござるな」
「かなりの人物がそうしたことがわかる」
「まさに始皇帝の様な」
「強烈な資質を個性を持つ人物がな」
「そうしたでござるな」
「それが誰かまでは書いていない」
 この世界の歴史書にはだ、その人物がしたことは書かれているがそれが誰かまではどの書にも書かれていないのだ。 
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