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レーヴァティン

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第二百五十二話 統一を経てその七

「不平不満ばかり言う」
「そやな」
「だがこうした輩も実にだ」
 本人がどう思っていてもというのだ。
「実にだ」
「小さいな」
「矮小な」 
 英雄はこうまで言った。
「輩だ、むしろ矮小だからな」
「そう考えるな」
「出来た人物は謙虚か尊大でも自分より上の存在を認めている」
 上には上があることをだ。
「しかとな」
「そうしたものでありますな」 
 峰夫も言ってきた。
「人というものは」
「そうだ、そして神と比べるとな」
「どれだけ小さいか」
「それも実感している、無神論でもないとな」
「無神論はそうした意味でも危険でありますな」
「そうだな、共産主義もそうだな」
 そもそものルーツはフランス革命の時のジャコバン派にある、彼等がまず宗教や信仰を否定して教会を弾圧したのだ。
「信仰を否定してだ」
「神もそうしてであります」
「そしてどうなったか」
「聖職者の粛清と教会の破壊を行い」
「多くの血が流れてだ」
 ジャコバン派の時代もそうであったし共産主義革命が起これば常である。
「多くの文化財もだ」
「破壊したであります」
「そして後に残ったのはだ」
「無惨な廃墟だけだったであります」
「そうだった、神を否定し思想を崇拝し」
 共産主義思想をだ。
「それが個人崇拝にもなりな」
「かなり歪んだものになったであります」
「それを見るとな」
「無神論はでありますな」
「碌なものではない、人は自分を小さなものとわかってだ」
「この世に人より遥かに大きな存在があることを見なければ」
「思い上がり勘違いをしてな」
 そうなってというのだ。
「そしてだ」
「共産主義の様なものになるであります」
「そうなるからな」
「神を感じることでありますな」
「そうすることだ、神仏を信じず己の力だけで進むと言った奴がいたが」 
 英雄は自分が知っている者の話もした。 
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