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レーヴァティン

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第二百五十二話 統一を経てその六

「再びだ」
「伺うんやな」
「そうする」
 こう幸平に話した。
「一月後でもな」
「そうやな」
「そうだ、だからな」
「それで諦めんな」
「そうするが」
 しかしというのだ。
「機というものはな」
「ほんま神様次第やな」
「人間ではどうにもならない」
「そやな」
「幾ら人間が様々なことが出来てもな」
「それで凄いとかえらいとか思ってもな」
「所詮だ」
 英雄は小さきものを語る声で言い切った。
「人間だ」
「それに過ぎんな」
「若し己がこの世で一番偉いと思っているならだ」
 それならというのだ。
「釈迦やキリストの人生を学べ」
「自分が如何にちっぽけかわかるわ」
「神を学ぶことだ」
「そうしたらええな」
「もっともそう考える奴は最初からだ」 
 それこそというのだ。
「まともに学びはしないがな」
「耳学問を齧ってしかも捻くれて解釈するわ」
「大抵何も出来ず何も持っておらず何も知らない」 
 自分で自分をどう思っていてもというのだ。
「自分がこの世で一番偉いどころかだ」
「一番下等やな」
「誰にも相手にされず誰にも何の役にも立たずな」
「何でもないな」
「雑草という草はないが」 
 昭和帝が言われた言葉だ、それぞれの草に名前がありそして確かな働きが存在するということだ。これは人も同じであるというのだ。
「しかし毒草はある」
「害にしかならん草がな」
「人や世にとってな」
「そうした奴やな」
「この世で一番偉いと勘違いしてだ」
 そうしてというのだ。
「努力せず感謝せず不平不満を言う様なら」
「毒草でや」
「生きていても害にしかならない」
「そうなるな」
「どの様な哲学や思想そして信仰でも救えない輩はいるが」
 この世にはだ。
「そうした輩はな」
「実際におってな」
「釈迦やキリストを学べと言ったが」
「学んでもな」
「捻くれて考えてだ」
 そうなってというのだ。 
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