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レーヴァティン

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第二百五十話 軌道に乗るまでその五

「あの造りにするとでござる」
「城塞都市だが」 
 その惣構えの城はというのだ、日本では長い間そうした城はなかったが小田原城から生まれてきたのだ。平城京や平安京は城塞都市であったが長い間そうした街もなかったのだ。
「それもだ」
「築いていって」
「守る」
「そうでござるな」
「それじゃがのう」
 ここで当季が言ってきた。
「日本以外の国、起きた世界じゃが」
「城と街は同じだな」
「城塞都市ぜよ、これはぜよ」
 当季は英雄にいつもの調子で話した。
「守りだけでなく政でもぜよ」
「意味があったな」
「そうだったぜよ」 
 こう久志に話した。
「これがぜよ」
「そうだったな」
 英雄もこう返した。
「実は」
「街で囲んでぜよ」
「その中の民の統計をしやすくしていた」
「そしていざとなれば」
 当季はさらに話した。
「民を兵役に就ける」
「そうもしやすいからな」
「守りとぜよ」
「政の為でもあったな」
「そうだったぜよ」
「だから城塞都市が多かったな」
「日本以外の国ではのう、むしろぜよ」
 当季は笑って話した。
「日本が例外ぜよ」
「城下町が主流であるのはな」
「街が城でないのは」
 むしろというのだ。
「まっこと少なかぜよ」
「中国も欧州もアラビアもそうでな」
「アメリカもだったぜよ」
 欧州からの移民で構成された国だ、それならば城塞都市が採用されるのは当然のことだ。ウォール街はまさに城塞都市であった証である。
「中央アジアそれこそユーラシアはぜよ」
「その影響を受けた地域もな」
「全部城塞都市だったぜよ」
「まさに日本の方がな」
「例外ぜよ」
「そうだったな」
「城は砦から発展しちょる」
 日本の城はというのだ。
「だから山城も多いぜよ」
「欧州の古城もそうだが」
「あれはあっちでは砦でしかなくてのう」
「城主が住んでいるにしてもな」
「まっことぜよ」
「城は街だ」
「そうだったぜよ」
 だからこそ街を城壁で囲んでいたのだ。 
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