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レーヴァティン

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第二百五十話 軌道に乗るまでその六

「他の地域ではのう」
「そうだった、俺も城はだ」
「そうしたものぜよ」
「軍事拠点であり政庁だが」  
 その二つを兼ね備えたものであるがというのだ。
「しかしだ」
「街を城とは考えんのう」
「街は街でな」
 独立していてというのだ。
「城は城だ」
「そうじゃのう」
「だから惣構えもな」
 この造りの城もというのだ。
「あまりだ」
「築いておらんぜよ」
「そうしている」
「そうじゃのう」
「城で守るよりもな」
 それよりもというのだ。
「むしろだ」
「兵を出してぜよ」
「戦う考えだしな」
「籠城は最後の最後ぜよ」
「そう考えているからな」
 だからだというのだ。
「兵を収める為のものであり」
「守るものではないぜよ」
「基本はな」
「そうじゃのう」
「街を攻められるよりはな」 
 その前にというのだ。
「迎え撃ってだ」
「敵を倒すぜよ」
「城を出てな」
「そうぜよ」
「街を攻められるとだ」
 英雄はその場合も話した。
「街が壊され民にも迷惑がかかる」
「だからじゃ」
「その前にだ」
「敵がおればぜよ」
「倒す」
 その様にするというのだ。
「それが幕府のやり方だ」
「そうじゃのう」
「だから惣構えという守りを重視した城はな」
「あまり築いちょらんぜよ」
「また政もな」
 街を壁で囲んで区分してそれをしやすくすることもというのだ。
「特にだ」
「そうしたことはぜよ」
「それをせずとも出来ているからな」
「しないぜよ」
「この浮島は日本の文化圏いや文明圏と言っていい」 
 英雄はここで近頃聞いたハンチントンの文明の衝突論を思い出した、そこで日本は一国で日本文明圏となっているのだ。
「そこでは政はな」
「そうした区分はないぜよ」
「定着しなかった」
「平城京平安京はあってもぜよ」
「街は壁で囲むのではなくな」
「街は城を囲むものぜよ」
「そして城から街を治める」
 その様にするというのだ。 
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