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レーヴァティン

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第二百四十八話 港と港からその三

「湖の幸もまた」
「山の幸だけでなくな」
「それにこれからはですね」
「畑の幸にな」
「牧場からもですね」
「美味いものが手に入る」
 英雄は烏賊の塩辛を食べながら話した。
「これからはな」
「そうなりますね」
「美味いものが多い地はだ」
「それだけで、ですね」
「いい地だ」
「その通りですね」
「だからだ」
 それでというのだ。
「これからもな」
「政に力を入れていきますね」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「誰もがだ」
「美味しいものを食べられる様にしますね」
「今以上にな」
「それが政ですね」
「それも常にだ」 
 英雄はさらに話した。
「満腹になる様にだ」
「しますね」
「だからな」
 それでというのだ。
「これからも力を入れていく」
「政に」
「誰もが美味いものを腹一杯食える様になる為にな」
「こうしたものもですね」
「食える様にする」 
 英雄は鮭の刺身を出した、鮭は寄生虫がいるが既に術を使って氷漬けにして冷凍して殺菌しているのでそちらの心配はなくなっている。
「俺達だけが食うなぞだ」
「論外ですね」
「一人だけ美味いものを食うなぞな」 
 そうしたことはというと。
「一切だ」
「考えないですね」
「そんなことは今の俺達なら簡単だ」
 実にとだ、英雄は言葉の中に入れて述べた。
「まさにな」
「手の平を返す様なものですね」
「まさにな、しかしな」
「そうしたことはですね」
「一切しない」
 こう言うのだった。
「俺はな」
「そうですね」
「若し拙者達だけが楽しむのなら」 
 それならとだ、智も述べた。
「何でもないでござる」
「今の俺達の立場ならな」
「酒池肉林もでござる」
 そうした贅沢もというのだ。
「何でもないでござる」
「その通りだな」
「しかしでござる」
 それでもというのだ。 
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