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レーヴァティン

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第二百四十六話 農業もまたその四

「行わせてな」
「土地を耕させてとよ」
「そのうえでな」
「敵が来たら武器を持って戦うたい」
「そうしたものだな」
「敵軍を想定してたい」
 本来の屯田制はというのだ。
「そうたい」
「曹操がはじめたな」 
 家臣だった韓浩に言われてそうしたのだ、実は曹操が行った政の中でも特に素晴らしいものかも知れない。
「そうだったな」
「三国志のあの人たい」
「その曹操がはじめてな」
「世界に普及したとよ」
「ビザンツ帝国も行った」
 ユスティニアヌス帝がはじめた。
「そうしたものでな」
「本来はまことにたい」
「敵軍を想定していたな」
「そうたい、普段は畑を耕して」
「敵が来ればすぐにだ」
「武器を手に取って戦うたい」
「一石二鳥の制度だ」
 畑を耕し戦にも備えられるだ。
「実にいいものだ」
「そうたいな」
「今までそれを用いることはなかったが」
「幕府はたい」
「しかしな」
「ここはとよ」
「そうだな。採り入れてだ」
 そのうえでというのだ。
「獣や魔物にだ」
「備えるとよ」
「冬眠し損ねて村に来た巨大な羆もだ」
 明治の頃の北海道で起こった事件はそうした羆が起こしたものだ、今でも語り継がれる恐ろしい事件である。
「武器があるとな」
「退けられる可能性が高いとよ」
「そうだな」
「そうした存在も敵ぜよ」
 当季は笑って話した。
「この世界では特にぜよ」
「敵軍だけでなくな」
「獣や魔物も敵ぜよ」
「そして賊もだな」
「だからぜよ」 
 そうした事情を観ればというのだ。
「屯田制を用いてもぜよ」
「おかしくないな」
「敵に備えるのなら」
 畑を耕しつつというのだ。
「何もおかしくないぜよ」
「その通りだな」
「だからぜよ」
 それでというのだ。
「ここはぜよ」
「屯田制の導入もだな」
「前向きに考えるぜよ」
「それがいいな」
「そうでなくても武器、あと具足もぜよ」
「民に渡すべきだな」
「丸腰と何かあるのでは全く違うぜよ」
 当季はこうも言った。 
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