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レーヴァティン

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第二百四十六話 農業もまたその五

「それこそのう」
「それが現実だな」
「棍棒と皮の具足でも」
 そうした最低限の装備でもというのだ。
「身に着けていればのう」
「丸腰より遥かに強いな」
「戦えてぜよ」
「怪我をしたり死ぬ可能性が減る」
「それも全くぜよ」
「その通りだな」
「だからぜよ」 
 そうした事情があるからだというのだ。
「是非共」
「そうするべきだな」
「そして落ち着いたらぜよ」
「その村の周りがだな」
「武器は返してもらうぜよ」
「そのまま持っているとな」
「刀狩りではないにしろ」
 それでもというのだ。
「叛乱を起こしたり民がその武器持ってぜよ」
「争うな」
「護身ならいいが」
 しかしというのだ。
「何でも悪用すれば禍になるぜよ」
「特に武具はな」
「だからぜよ」
 当季は英雄にこうも話した。
「落ち着いたらのう」
「幕府に返してもらうな」
「武具の管理も政ぜよ」
「その通りだな」
「秀吉さんは国に乱を起こさせない為にしたぜよ」 
 刀狩り、それをというのだ。
「支配とか悪く言う奴もおるが」
「その主な理由はな」
「まだ一向一揆があって間もなかった」
「物騒な時代のままだった」
「なら乱を起こさせない為にも」 
 まさにその為にもというのだ。
「刀狩りもぜよ」
「必要だったな」
「そうぜよ」
「国を治める為にな」
「もっと言えば検地もぜよ」
「支配とかそうした視点で言われてな」
「如何にも悪い権力者に言われちょったが」
 その実はというのだ。
「検地で租税、国家運営の予算を確かにしてぜよ」
「刀狩りで乱を事前に防いでな」
「そうだったぜよ」
「確かに晩年の豊臣秀吉は失策が目立った」
「朝鮮出兵にのう」
「千利休や豊臣秀長を切腹させた」
「秀長さんがいなくなってぜよ」  
 自分を補佐しかついざという時には止めていた弟の彼がだ、豊臣秀長は秀吉にとってかけがえのない存在であったのだ。それは政権においてもだったのだ。 
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