私はいじわる 小悪魔が住みついた
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8-⑷
次の日、昂君が迎えに来た。
「公園まで、走っていくぞ」
「えぇー かんにんしてーや 画版もあるしー」
「貸せ 持ってやるよ 1枚も2枚も変わらんからな」と重ねて持ってくれたら、走り出した。
「待って ちょっと、待ってぇなー」
公園には、まだ、誰も居なかった。人工の小さな滝になっているところを描くことにした。木陰になっている所に座ろうとすると
「そこじゃぁ そのうち 日向になるだろう 朝のうちなら、陽ざしも強くないから、こっち そのうち、影になってくるから」と、昂君は陽があたっているところを指刺していた。
画き始めていると、なるほど、木陰がだんだんと移ってきていた。
「なぁ 合宿 始まるやろー ウチ お弁当 昂の分も作って行くね」
「いいよ そんなの たいへんやろー」
「ええねん 普段 お兄ちゃんのも作ってたし、3日間だけやん その代わり、朝、一緒に行ってやー その時、渡すから 他の人に見られたりしたら嫌やもんな 飲み物は自分で用意してな」
「すまんのー」
「いいの! 他に 昂にしてあげれること無いから・・」
「ウン この頃、パンツも見れないしなー」
「アホッ しゃーないやん でも、今は見てもおもろーないでー それにな、ウチ スカートって制服以外にあんまり持ってへんねん 全部 短こーなってしもてな そんで 野球ってお金かかるやん お洋服も要らんってお母さんにゆうてしもたから・・2学期には、全員でユニフォームを作らなかあんやろー」
「別にな 見たいって言ってるんちゃう このごろ 真珠はすごく頑張ってるし うまくなったし 俺も 嬉しい」
「そう? うまくなった? でも、捕り損ねて 身体中 青タンだらけなんやでー もう ボロボロやん」
「うーん もう少し 大丈夫だよ 真珠なら それもなくなるよ ガンバレ」
「ウン 昂に言ってもらえるとね 穣先輩って ウチにばっかー厳しくてなぁー 辛いって思う事あるんよ」
「それは 真珠に早く うまくなってほしいから 真珠のことが可愛いんだよ きっと」
「そーかなー なんか いじめて楽しんでいるんかなって思うこともあるよ」
「まぁ まぁ こらえろよ 女子部の為だよ 合宿では 絶対に泣くなよ 辛いだろうけど」
「なんで そんな恐ろしいこと言うんよ! もうぅー 泣かへんわー」
お昼近くなって、小さい子供たちが水遊びしているとこに、昂も入って行った。
「昂 絵は?」
「もう 描き終えたよ」と、昂の絵をみると、岩とそこにあたって跳ねている水だけ。なによーこれ 相変わらずなんだ。私は、滝のまわりも描いているから、まだ、終わらない。
そのうち、昂君が私の手を引っ張って「行こう」と・・
「だって まだ 終わらへんねん」
「そんなの いつまで描いても いっしょやー いくぞ」っと
そして、私も水の流れているところに・・水を掛け合って、はしゃいでいた。
「やめてよー 昂 もう ビショビショやんかー」私のTシャツは濡れてしまって
「もうー ぼとぼと やんかー どうすんねん 昂」
「アハッ だねー そのうち乾くよ 早く、仕上げしろよ 腹減ってきた」と、他人のことだと思いやがって・・。時たま、冷たく突きはなすんだから・・ぁ・・。
「なぁ ウチに寄んなよ スパゲッティぐらいやったら、作れるから・・」と、帰り道、昂君を誘った。
私は、帰って、直ぐにお湯を沸かして、お兄ちゃんも出掛けたのか居なかった。
「うまい 真珠 割と、上手」と、昂君も褒めてくれて
「真珠 その左の腕のところ 青タン」
「うん どっかにぶつけたんかなー 知らんうちにな」と、誤魔化した。家に帰ってきて、直ぐに、着替えていたんだけど、うっかり、ノースリーブのTシャツだったから、見えてしまったんだ。
そしたら、昂君が私を抱きしめてきて
「真珠 ボールだけを見てるんじゃぁ無くて、バッターのスィング始める時から、よーく見て反応しないと、遅れるぞ」と、私の顔の横で言ってくれた。そして、顔をずらして、見つめられた。
私 「キス されるー お母さん いいかなー」と、思っていたら、急に放されて
「わかったな がんばれよ でも 無理はすんなよ」と・・なんだ こいつ 私は、変な期待させやがって・・だから、私は「昂」と、言って私から抱き着いていって・・ 昂のホッペにチュツとしていった。2度目かな・・
「あのー だからぁー アドバイスのお礼だからね」
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