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レーヴァティン

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第二百四十三話 蝦夷攻めその八

「そこにいる民の意見はどうでもな」
「築いてきたっちゃな」
「祟りの懸念があれば避けるかな」
「それに相応しい対処をするっちゃ」
「それはあるからな」
「それもまた問題ですから」
 紅葉が応えた。
「祟りもまた」
「その通りだな」
「祟りは起きた世界でも存在しますが」
「この世界ではより顕著に出る」
「ですから」
 それ故にというのだ。
「気をつけてだ」
「築くべきものも築いてきました」
「そうだな」
「起きた世界で言うと成田空港ですね」
 紅葉はこの地の話をした。
「実はあの空港の立地には祟りの話もあり」
「鎮める為に社も置かれたな」
「そうでした」
「そうらしいな」
「そして反対派がです」
「いたな」
「住民の方の多くは納得してくれましたが」
 そこに空港を築くことをだ、それで土地を提供してくれたのだ。だがそれで終わりではなかったのだ。
「ですが」
「反対する者もいてな」
「そしてです」
「そこに過激派が入ってな」
「彼等の運動の種にしました」
「三里塚と言ってだな」
「そこに野党も入り」
 社会党や共産党といった政党である。
「大きな社会問題にしました、いえ」
「そうしたな」
「そうでした、ですが」
「日本の発展の為にはな」
「成田空港は必要でありましたし」
「建設してよかったな」
「それが日本の空の玄関口になりました」
 このことは事実であったのだ。
「そのことを考えますと」
「反対派がいてもな」
「少数の反対派の意見があろうとも」
「全体の利益を考えるとな」
 それならというのだ。
「築くものは築くべきだ」
「街や村もな」
「城や港もです」
「そうだな」
「まして起きた世界では」
 紅葉はさらに話した。
「反対しようと思えば」
「何とでも言えるな」
「言い掛かりなぞ幾らでもつけられます」
「市民の為等言ってな」
「環境や人権も」
「それを大義名分にしてな」
 そのうえでというのだ。 
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