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レーヴァティン

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第二百四十話 運河の街でその二

「蔓延なんかされるとな」
「戦にも影響しますね」
「インフルエンザ等が流行しますと」
「それこそです」
「そう思うとまずはな」
 そこまで考えると、というのだ。
「やっぱりな」
「まずはですね」
「風邪にならないことですね」
「暖かくして」
「そのうえで」
「それに尽きるな」
 何と言ってもというのだ。
「だからな」
「兵達にも厚着をさせる」
「服も持って来ていますし」
「そうさせますね」
「毛皮をな、寒かったら服を着ろ」 
 毛沢東の言葉だ、服はそうした意味でも重要だということが彼のその言葉でもわかると言えるだろうか。
「その通りだよ」
「そして民達にもです」
「そうなる様にしています」
「この街の者はどの者も厚着です」
「それでいいですね」
「ああ、それと窓もな」 
 久志はここで部屋の窓も見て言った。
「閉めてるな」
「三重の窓全てをです」
「そうしています」
「そのうえで暖を取っています」
「壁も厚いしな」
 見ればそうなっていた、宮殿のそれも。
「ここは」
「はい、そうしてです」
「そのうえで温かくしています」
「ここはあまりにも寒いので」
「そうしています」
「そうだな、あまりにも寒いとな」
 そうした地域ではとだ、周りの者達に話した。
「窓もそうしないとな」
「一重ではです」
「無理です」
「寒くて仕方ありません」
「凍死すら普通ですから」
「ここだとな、それとこうしてな」
 熱い紅茶を飲みつつも言った。
「熱いものもな」
「口にすることですね」
「そしてそこからも温まる」
「そうすることですね」
「このことも兵達に言ってるしな」
 口にすることでも温まれというのだ。
「戦に出なくてもだよ」
「無理はしない」
「身体を温める」
「そうして休んでですね」
「英気を養うことですね」
「ああ、食ってあったかくしてな」
 そうしてというのだ。 
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